五色と五臓の関係

五色(ごしき) とは、東洋医学で健康や病の状態を色によって捉える考え方です。
青・赤・黄・白・黒 の五色は五臓(肝・心・脾・肺・腎)と対応し、
顔色や舌の色、体の表れを診るうえで重要な指標となります。


青と肝

青(緑を含む) に対応します。
顔や爪が青っぽくなるのは、肝気の滞りや血行不良のサインとされます。
怒りの感情とも結びつき、気の流れの停滞を示すことがあります。


赤と心

に通じます。
顔が赤みを帯びるのは、心火の亢進や熱証を示すことがあります。
逆に顔色に赤みがなく青白い場合は、心血の不足を意味することもあります。


黄と脾

に対応します。
顔色が黄色っぽいのは、脾の機能低下や湿の停滞を表すことが多いです。
明るい黄色は脾胃の虚弱、くすんだ黄色は湿や痰の停滞と関連づけられます。


白と肺

に関わります。
顔色が白っぽいのは、肺気虚や血の不足を示す場合があります。
また、咳や息切れといった肺の症状とも関連して観察されます。


黒と腎

に結びつきます。
目の下のくまや顔色の黒ずみは、腎虚や水分代謝の乱れを示すことがあります。
恐れや不安の感情とも関係が深いとされます。


まとめ

五色と五臓の関係は、診断学の基本であり、顔色や舌の色を通して臓腑の状態を把握する手がかりとなります。
色の変化は、身体の内側のバランスの乱れを示すサインであり、早めに気づくことで養生や治療につなげることができます。

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