五色(青・赤・黄・白・黒)とは

五色(ごしき)とは、青・赤・黄・白・黒の五つの色を、五行の性質が視覚化されたものとして捉える概念である。

東洋医学では、色は単なる外観ではなく、

⇒ 生命活動の状態が外に現れたサイン

と考えられている。


五色は「見える気の状態」

五行は本来、動き・性質・エネルギーの流れという目に見えないものを表す概念である。

それが身体の表面に現れたとき、最も分かりやすい形が「色」である。

つまり五色とは、気・血・臓腑の状態が視覚化された結果を体系化したものである。



各色が象徴する五行的意味

青(木)

  • 伸び・条達・流動
  • 若さ・新生・未熟
  • 張り・緊張

⇒ 植物の芽吹きの色。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、

  • 気の巡りが滞ると顔色が青くなる
  • 痛み・痙攣・冷えなどでも青色が現れる

これは気の流れがスムーズに伸びない状態を示す。


赤(火)

  • 熱・活発・外向き
  • 明るさ・興奮
  • 上昇・充満

⇒ 燃える炎、血の色。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、

  • 発熱
  • 炎症
  • 興奮状態
  • 顔面紅潮

など、熱の亢進が赤として現れる。


黄(土)

  • 中央・安定・滋養
  • 生成・成熟
  • 受容と調整

⇒ 大地や穀物の色。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、

  • 健康な肌色
  • 消化機能の状態

が反映される。

淡い黄は正常だが、濃く濁ると湿や虚のサインとなる。


白(金)

  • 清浄・収斂・乾燥
  • 整理・粛降
  • エネルギーの減少

⇒ 金属や秋の澄んだ空気の色。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、

  • 血虚
  • 気虚
  • 寒証
  • 脱水

など、生命力の低下として現れる。


黒(水)

  • 深さ・内向き・蓄蔵
  • 静・寒・衰え
  • 根源的エネルギー

⇒ 水・影・冬の暗さ。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、

  • 腎虚
  • 慢性疲労
  • 老化
  • 冷えの深さ

など、生命の基盤の弱りが黒として現れる。


五色は「動的なサイン」である

五色は固定的なものではなく、状態の変化とともに移り変わる

例:

  • 青 → 赤
    (気滞が熱化する)
  • 赤 → 白
    (熱が消耗に転じる)
  • 黄 → 黒
    (慢性的な消耗が進行する)

つまり五色は、病態の進行過程を映す鏡でもある。


なぜ五色が診断に重要なのか

色は、

  • 最も早く現れ
  • 最も客観的に観察でき
  • 意識の影響を受けにくい

という特徴を持つ。

そのため五色は、東洋医学の診察法である「望診」において、極めて重要な指標となる。


五色と五行の対応まとめ

五行 本質的意味
伸び・流れ・緊張
熱・活動・上昇
中央・滋養・安定
収斂・乾燥・衰弱
深さ・蓄蔵・根源


まとめ(五色の一文定義)

五色とは、五行の動きと臓腑の状態が、身体の表面に視覚的に現れた生命活動のサインである。

情志はどう五臓に割り振られているか

はじめに

東洋医学では、感情は単なる心理現象ではなく、五臓の働きそのものの表現と考えられています。

怒り・喜び・思い・悲しみ・恐れ――
これらは外から来るものではなく、

五臓の気血の動きが
心の形として現れたもの

です。

本記事では、情志がどのような原理で五臓に割り振られているのかを、全体構造として整理します。


情志は「臓の気の動きの方向」を表している

五臓と情志の対応は、単なる暗記ではありません。

それぞれの情志は、その臓が持つ気の運動方向そのものです。

気の動き 情志
上昇・発散
拡散・外向
集中・停留
収斂・下降悲・憂
深沈・保持

⇒ 情志とは、気の動きが精神として現れたものなのです。


肝と怒:気が上昇しすぎると起こる

肝の本質は、

  • 条達(のびやかに流す)
  • 疏泄(詰まりを解く)

です。

この気が強く上昇すると、

  • イライラ
  • 怒り
  • 衝動性

として現れます。

つまり怒りは、

肝の気が“動きすぎている状態”

なのです。

逆に肝が弱ると、

  • 抑うつ
  • 意欲低下

が起こります。


心と喜:気が外に開いた状態

心は、

  • 血脈を巡らせ
  • 神志を統括します。

心の気が円滑に働くと、

  • 安心感
  • 穏やかな喜び

が生まれます。

しかし過度になると、

  • 興奮
  • 多弁
  • 不眠

となります。

喜とは、

心の気が外に拡散している状態

なのです。


脾と思:気が内に集まった状態

脾は、

  • 消化吸収
  • 集中保持

を担います。

この働きが精神に現れると、

  • 考える
  • 思い巡らす

という「思」の情志になります。

過剰になると、

  • 思い悩み
  • 気滞
  • 食欲低下

が起こります。

思とは、

気が内側に集中し続けている状態

です。


肺と悲:気が収縮する動き

肺は、

  • 粛降(下げる)
  • 収斂(引き締める)

という性質を持ちます。

この動きが情志に現れると、

  • 悲しみ
  • 憂い
  • 喪失感

となります。

悲とは、

気が内へ縮こまり、下へ落ちる動き

です。


腎と恐:気が深く沈む動き

腎は、

  • 精を蔵す
  • 根源を支える

臓です。

腎の気が不安定になると、

  • 恐れ
  • 不安
  • 驚き

が生まれます。

恐とは、

気が深部へ沈み、支えを失う状態

なのです。


情志は「原因」であり「結果」でもある

重要なのは、

情志は

  • 臓の失調の結果でもあり
  • 臓を乱す原因にもなる

という双方向性です。

例えば:

  • 怒り → 肝気上逆
  • 思い悩み → 脾気損傷
  • 恐怖 → 腎気下陥

⇒ 情志は、心の問題ではなく、気の循環の問題なのです。


五臓の情志はバランスで成り立つ

五臓が調和しているとき、

  • 喜は穏やか
  • 怒は適度
  • 思は集中力
  • 悲は共感
  • 恐は慎重さ

となります。

つまり情志は本来、

人を守るための働き

です。

問題になるのは、どれか一つが偏ったときです。


まとめ

情志は五臓に割り振られているのではなく、

  • 五臓の気の動きが
  • 心の形として現れている

ものです。

怒・喜・思・悲・恐は、

それぞれ

  • 上昇
  • 拡散
  • 集中
  • 収縮
  • 沈降

という気の方向性を示しています。

情志を読むとは、五臓の気の動きを読むことなのです。

五方(東・南・中央・西・北)とは

五方(東・南・中央・西・北)とは

五方(ごほう)とは、東・南・中央・西・北の五つの方向を、五行の運動を空間と時間に当てはめた概念である。

単なる方位区分ではなく、自然界のエネルギーの流れと盛衰を表した座標であり、人体の生理・病理を理解するための基礎となる。


五方は「地理」ではなく「変化の流れ」

五方を理解する鍵は、太陽の動きと季節の変化である。

東洋医学では、

  • 日の出から始まり
  • 高まり
  • 成熟し
  • 収まり
  • 蓄えられる

という一連の流れを、空間(方角)として表現している。


各方位の意味と五行的解釈

東(木)

  • 太陽が昇る方向
  • 始まり・発生・成長
  • 下から上へ、内から外へ

⇒ 春の到来、芽吹きの方向。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、気が伸び、巡り始める段階を象徴する。


南(火)

  • 太陽が最も高くなる方向
  • 熱・活動・発散の極み
  • 外向き・上昇

⇒ 夏、生命活動のピーク。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、活動性・興奮・循環の最盛期を示す。


中央(土)

  • 四方をつなぐ中心
  • 生成・調整・受容
  • 安定・土台

⇒ 季節の変わり目(長夏)を含意。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、飲食物を受け入れ、変化させ、全身に配る働きを象徴する。


西(金)

  • 太陽が沈む方向
  • 収斂・整理・粛降
  • 終わりへ向かう動き

⇒ 秋、実りと収穫、落葉。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、不要なものを排し、形を整える段階を示す。


北(水)

  • 太陽の力が最も弱い方向
  • 寒・静・蓄蔵
  • 内向き・下降

⇒ 冬、生命が内にこもる時期。
⇒ 五行ではに対応。

人体では、エネルギーを蓄え、次の成長に備える状態を表す。


五方は「時間の流れ」でもある

五方は、1日の流れ・1年の流れ・一生の流れにも重ねられる。

  • 東 → 朝/春/誕生・成長期
  • 南 → 昼/夏/活動期
  • 中央 → 移行期/調整期
  • 西 → 夕/秋/成熟・収束期
  • 北 → 夜/冬/休止・蓄積期

⇒ 方角=エネルギーの段階


人体への応用的な考え方

五方の視点を持つと、

  • 症状が「始まりの不調」なのか
  • 「ピークの過剰」なのか
  • 「収まりきらない」状態なのか
  • 「蓄えが足りない」のか

といった位置づけが可能になる。

これは、「どの臓腑か」以前に、今どの段階の問題なのかを考えるための視点である。


五方と五行の対応まとめ(理解用)

方位五行本質的意味
始まり・伸び
最盛・発散
中央調整・育成
西収斂・整理
蓄蔵・静

※これは暗記用ではなく、理解の結果として自然に出てくる対応


まとめ(五方の一文定義)

五方とは、五行の変化と循環を、太陽・季節・生命活動の流れとして空間化した概念である。

陰陽の偏りから読む、症状の方向性

はじめに

同じ「不調」でも、

  • 上に出る人
  • 下に残る人
  • 熱っぽくなる人
  • 冷えて固まる人

がいます。

東洋医学では、これを陰陽の偏りとして読み解きます。

本記事では、陰陽のバランスが崩れたとき、症状が「どの方向に現れるのか」を全体像として整理します。


陰陽は「量」ではなく「方向性」

陰陽というと、

  • 陽=活動的
  • 陰=静的

といった性質論で語られがちですが、臨床的に重要なのは、体の中でどちらが主導権を持っているかです。

⇒ 陰陽の偏りは、症状の「勢い」「向き」「居場所」を決めます。


陽に偏ったときの症状の方向性

① 上に出やすい

  • 頭痛
  • めまい
  • 顔面紅潮
  • 目・耳・鼻の症状

⇒ 陽は上昇する性質を持つため、症状も上へ集まりやすくなります。


② 外に出やすい

  • 発汗
  • 発疹
  • 炎症

⇒ 陽の偏りは、外へ発散しようとする動きとして現れます。


③ 動きが速い・変化が大きい

  • 急に悪化・急に軽快
  • 波が大きい

⇒ 陽証は、症状のスピード感が特徴です。


陰に偏ったときの症状の方向性

① 下に残りやすい

  • 腰・下肢の重だるさ
  • 排泄トラブル
  • 婦人科系の不調

⇒ 陰は下降・停滞するため、症状は下部に定着しやすくなります。


② 内にこもりやすい

  • 冷え
  • 鈍痛
  • だるさ

⇒ 陰の偏りは、外に出られない状態として現れます。


③ 変化が遅く、慢性化しやすい

  • じわじわ悪化
  • 良くも悪くもなりにくい

⇒ 陰証は、時間をかけて固定化します。


陰陽の偏りは「混在」する

実際の体では、

  • 上は熱、下は冷え
  • 表は実、裏は虚

といったように、陰陽は同時に存在します。

⇒ 重要なのは、どちらが主流になっているかです。


五臓と陰陽の偏りの関係

肝:陽が亢進しやすい

  • 上衝
  • 張り
  • 怒り

⇒ 肝の失調は、陽が暴れやすい方向に傾きます。


心:陽が表に現れやすい

  • 動悸
  • 不眠
  • 顔色変化

⇒ 心は、陽の動きが外に出やすい臓です。


脾:陰に傾くと停滞する

  • 湿
  • 重だるさ
  • 内にこもる疲労

⇒ 脾の弱りは、陰的停滞を生みます。


肺:陰陽の境界が乱れやすい

  • 発汗異常
  • 皮膚トラブル

⇒ 肺は、内外のバランス調整役です。


腎:陰陽どちらも不足しやすい

  • 冷え
  • 火照り
  • 慢性疲労

⇒ 腎は、陰陽の土台となります。


陰陽を読むと「今、何が起きているか」が見える

症状を

  • 部位
  • 病名

だけで見ると、方向性は見えてきません。

陰陽の偏りを読むことで、

  • なぜ上なのか
  • なぜ外なのか
  • なぜ慢性なのか

が説明できるようになります。


まとめ

陰陽の偏りは、

  • 症状の出る場所
  • 動き方
  • 時間経過

を決めています。

症状を「点」ではなく方向を持った現象として捉えること。

それが、東洋医学で全体像を読む視点です。

五行(木・火・土・金・水)とは

五行(木・火・土・金・水)とは

五行(ごぎょう)とは、自然界および人体で起こるあらゆる現象を、5つの「性質・動き・変化の型」として捉える東洋医学の基本概念である。

木・火・土・金・水は、物質そのものを指す言葉ではなく、変化のパターンを象徴した名称である。


五行は「分類」ではなく「運動の法則」

五行はよく「木=肝」「火=心」といった対応表として覚えられがちだが、本来は静的な分類体系ではない

東洋医学における五行は、

  • 生じる
  • 伸びる
  • 盛んになる
  • 収まる
  • 蓄える

という、エネルギー(気・生命活動)の流れと循環を説明するための概念である。

つまり五行とは、自然と人体に共通する“変化の道筋”を表した思考モデルである。


各行が表す「基本的な動き」

木(もく)

  • 生長・発展・条達
  • 下から上へ、内から外へ伸びる
  • 始まり・発芽・展開

⇒ 春の植物の伸び方に代表される。


火(か)

  • 発散・上昇・活動の最盛
  • 熱・明るさ・外向きの動き
  • 高まり・ピーク

⇒ 夏の太陽、燃え上がる炎の性質。


土(ど)

  • 生成・受容・調整
  • 育てる・まとめる・変換する
  • 中央・安定・土台

⇒ 季節の変わり目、作物を育む大地。


金(きん)

  • 収斂・整理・粛降
  • 余分なものを削ぎ落とす
  • 形を整える・終わりへ向かう

⇒ 秋の空気の澄み、収穫、落葉。


水(すい)

  • 蓄蔵・沈静・下降
  • 冷・静・内向き
  • 次の始まりの準備

⇒ 冬、地下水、種子が力を蓄える状態。


五行は「循環」する

五行は単独で存在せず、必ず循環と相互作用の中で理解される。

相生(そうせい)

生み、助ける関係

  • 木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 木

⇒ 成長 → 活動 → 育成 → 整理 → 蓄蔵 → 再び成長


相剋(そうこく)

制御し、抑制する関係

  • 木剋土
  • 土剋水
  • 水剋火
  • 火剋金
  • 金剋木

⇒ 行き過ぎを防ぎ、全体の調和を保つ働き。


人体に当てはめるとどうなるか

人体も自然の一部であるため、五行の動きはそのまま生理・病理の理解に使われる。

  • 気が伸びる → 木の性質
  • 活動が高まる → 火の性質
  • 消化・生成する → 土の性質
  • 排出・整理する → 金の性質
  • 蓄える・休む → 水の性質

⇒ どこかの「行」が過剰・不足・停滞すると、他の行にも連鎖的に影響が及ぶ。

これを読み解くための思考装置が、五行である。


五行を学ぶ目的

五行は、

  • 正解を当てるための理論ではなく、
  • 全体像を崩さずに状態を理解するための視点

である。

「今、どの行の動きが強すぎるのか」
「どの行がうまく働けていないのか」

を考えることで、人体を流れとして捉えることが可能になる。


まとめ(暗記しないための一文)

五行とは、自然と人体に共通する「変化と循環の型」を、木・火・土・金・水という象徴で表した思考体系である。

内証が外に現れるとき、何が起きているのか

はじめに

東洋医学では、

  • 内臓の失調(内証)が
  • 皮膚・筋・感覚・行動といった「外」に現れる

という見方をします。

発疹、こり、しびれ、情緒の変化――
これらは偶然ではなく、内の状態が外に表出した結果です。

本記事では、内証が外に現れるとき、体の中で何が起きているのかを、
全体構造として整理します。


内と外は断絶していない

東洋医学では、

  • 五臓は内にあり
  • 経絡・皮毛・筋骨は外にある

とされますが、両者は常に連続しています。

  • 内の変化は、外に影響し
  • 外からの刺激は、内に伝わる

⇒ 「外に出た症状」は、内証の一つの表現形です。


なぜ内証は外に出るのか

① 内で処理しきれなくなる

  • 気血水精の偏り
  • 五臓の調整力低下

これにより、内側だけで失調を抱えきれなくなります。

⇒ 体は、外に逃がすことで均衡を保とうとします。


② 外は「最前線」だから

  • 皮膚・筋肉・感覚器は
  • 常に動き、入れ替わる

⇒ 内よりも、変化を許容しやすい領域です。


③ 外は調整しやすい

  • 発汗
  • 緊張
  • 痛み

は、比較的短期で変化させられます。

⇒ 体はまず、外で調整を試みます。


五臓別:内証が外に現れる道筋

肺:内外の境界が揺らぐ

  • 宣発が乱れる → 発汗異常・皮膚症状
  • 粛降が弱まる → 咳・鼻症状

⇒ 肺の内証は、皮毛・呼吸として外に出やすい


脾:内が重く、外がだるくなる

  • 運化低下 → 湿が内に停滞
  • 動かせない → 重だるさ・筋力低下

⇒ 脾の内証は、筋肉・四肢の感覚に現れます。


肝:内の滞りが外の緊張になる

  • 気滞 → 張り・こり・痛み
  • 血の配分不良 → しびれ

⇒ 肝の内証は、筋・腱・情緒に反映されます。


心:内の乱れが外の不安定さになる

  • 血脈不整 → 動悸・顔色変化
  • 神志不安 → 表情・言動の変化

⇒ 心の内証は、振る舞いそのものに現れます。


腎:内の消耗が外の持続力低下になる

  • 精不足 → 腰膝の弱り
  • 水の失調 → 冷え・浮腫

⇒ 腎の内証は、下半身・老化徴候として現れます。


内証が外に出るのは「悪化」だけではない

重要なのは、内証が外に現れることが必ずしも悪化を意味しない点です。

  • 外に出て発散できている
  • 内に閉じこもっていない

という見方も成り立ちます。

⇒ 外証は、体の調整戦略の一部です。


ただし、外に出続けると慢性化する

  • 外での代償が長引く
  • 内の問題が解決されない

この状態が続くと、

  • 皮膚症状の慢性化
  • 筋緊張の固定
  • 情緒不安の常態化

が起こります。


まとめ

内証が外に現れるとき、

  • 内で処理しきれず
  • 外で調整しようとし
  • 体の均衡を保っている

という構造があります。

症状を「消すべき異常」とだけ見ず、内から外への流れとして捉えること。

それが、東洋医学で全体像を読む視点です。

経絡瘀血とは

経絡瘀血(けいらくおけつ)とは、血行障害によって瘀血が経絡内に停滞し、気血の通行が阻まれた状態を指す中医学の病機です。
経絡は気血の通路であり、その内部に瘀血が生じることで、固定性の疼痛、しびれ、運動障害などが現れます。
とくに慢性疾患や外傷後に形成されやすい病機です。


主な原因

  • 気血滞: 気の推動低下により血行が停滞。
  • 外傷・手術: 打撲、捻挫、術後瘢痕による血瘀。
  • 寒邪凝滞: 冷えによる血行収縮。
  • 慢性病変: 病が長期化し瘀血が定着。

病理機転

  • 気機の失調や外傷により血行が阻害される。
  • 停滞した血が瘀血となり経絡内に留まる。
  • 経絡の通暢が失われ、局所症状が固定化。
  • 慢性化すると筋脈失養・関節変形を招く。

主な症状

  • 刺すような固定性疼痛
  • 夜間や安静時に増悪する痛み
  • しびれ、感覚鈍麻
  • 可動域制限、こわばり
  • 皮膚の暗紫色変化、圧痛

舌・脈の所見

  • 舌: 紫暗、瘀点・瘀斑
  • 脈: 渋、弦、または細渋

関連する病機・証型

  • 瘀血阻絡: 経絡瘀血の代表的表現。
  • 経絡不通: 瘀血による通行障害。
  • 寒湿痺: 冷えと瘀血が絡む場合。
  • 慢性痺証: 長期経過で固定化。

代表的な方剤

  • 疏経活血湯: 経絡内瘀血による疼痛に。
  • 身痛逐瘀湯: 全身の固定痛に。
  • 桂枝茯苓丸: 瘀血体質・婦人科症状に。
  • 血府逐瘀湯: 上焦の瘀血に。

治法


養生の考え方

  • 身体を冷やさず血行を保つ。
  • 適度な運動で瘀血の形成を防ぐ。
  • 同一姿勢を避け、こまめに動く。
  • 紅花、当帰、桂皮など活血温経食材を活用。

まとめ

経絡瘀血は、瘀血が経絡内に停滞することで、気血の通行が阻害される病機です。
疼痛や運動障害が固定化しやすいため、治療では活血化瘀通経活絡を軸に、寒邪や虚の有無を見極めた対応が重要となります。