五液(ごえき) とは、東洋医学で臓腑の働きを反映する五種類の体液を指します。
涙・汗・涎・涕・唾 の五液は五臓と結びつき、健康状態や病理の判断材料として重視されます。
涙(るい)と肝
涙 は 肝 に対応します。
涙は目の潤いを保ちますが、肝血の不足や肝の不調があると、乾燥して涙が出にくくなったり、逆に涙が出やすくなったりします。
汗(かん)と心
汗 は 心 に通じます。
汗は心気や心血の状態を反映し、心の働きが乱れると発汗異常が起こります。
寝汗(盗汗)や過度の発汗は心神の不安定や気虚を示すことがあります。
涎(せん)と脾
涎(よだれ) は 脾 に結びつきます。
脾の気が健やかであれば涎は適度に分泌されますが、脾虚ではよだれが出すぎたり、口中に過剰にたまることがあります。
涕(てい)と肺
涕(はなじる) は 肺 に関連します。
肺の状態は鼻水に現れ、風邪や寒邪を受けると透明な鼻水が出たり、熱邪では黄色で粘りのある鼻水が出るなど、病証を判断する手がかりとなります。
唾(だ)と腎
唾(つば) は 腎 に対応します。
腎精が充実していれば唾液は潤いを保ちますが、腎虚では口の渇きや唾液不足が見られます。
逆に余分な唾が出る場合も腎の不調と関連づけられます。
まとめ
五液と五臓の関係は、体液の状態が臓腑の健康を映し出すことを示しています。
涙・汗・涎・涕・唾の変化を観察することで、臓腑の虚実や気血の偏りを知る手がかりとなり、
診断や養生に役立てられます。
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