東洋医学において女子胞(じょしほう)とは、女性の生殖機能を担う器官、すなわち子宮を指します。
女子胞は腎を根本としますが、その働きには肝の関与が非常に大きいと考えられています。
なぜなら、女性の生理機能の多くが血に依存し、そして血を統御する中心が肝だからです。
① 肝は血を蔵し、女子胞は血を用いる
古典では、肝は血を蔵すとされます。
そして女子胞の働きは、
- 月経
- 妊娠
- 出産
すべて血の運行と蓄積によって成立しています。
つまり、
肝血 → 女子胞へ供給 → 月経・妊娠が成立
という関係が成立します。
② 肝は血を調節する
肝は血を「貯える」だけではなく、必要に応じて血量を調節します。
この働きによって、
- 月経周期
- 月経量
- 排卵
などが正常に保たれます。
そのため、
- 肝血虚 → 月経量減少・無月経
- 肝鬱 → 月経不順
- 肝火 → 月経過多
といった婦人科症状が現れます。
③ 肝の疏泄と月経
肝には疏泄(そせつ)という働きがあります。
これは、
- 気の流れを調整する
- 血の巡りを円滑にする
という作用です。
この疏泄作用が円滑であれば、
- 月経が周期的に起こる
- 経血が滞らない
という正常な月経が成立します。
しかし肝気が鬱滞すると、
- 月経痛
- 経血塊
- 月経不順
が現れます。
④ 情志と女子胞
肝は情志、特に怒と関係します。
情志の失調によって肝気が鬱滞すると、
- PMS
- 月経前の情緒不安
- 乳房脹痛
などが現れます。
これは、情志 → 肝気 → 女子胞という影響経路が存在するためです。
⑤ 肝と衝任脈
女子胞の機能には衝脈・任脈が深く関わります。
そしてこの二つの経脈は、
- 血の海(衝脈)
- 陰の海(任脈)
として月経を調整します。
肝血はこれらの脈を満たし、女子胞へ血を供給します。
⑥ まとめ:肝と女子胞の関係
肝と女子胞の関係を一言で表すなら、肝は女子胞の血の源といえます。
- 肝は血を蔵す
- 肝は血を調節する
- 肝気は月経を調整する
- 情志は肝を介して女子胞へ影響する
そのため東洋医学では、婦人科の多くは「肝から治す」と考えられているのです。
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