「代表的な証と対応する方剤」 では、東洋医学の臨床でよく見られる証(しょう)と、それに対応する代表的な方剤を整理します。
弁証から治法・方剤へつなげる実践的な理解を深めることができます。
1. 風寒表証
外からの寒邪が体表に侵入し、悪寒・発熱・頭痛・無汗などを呈する証。
2. 風熱表証
外からの熱邪による表証で、発熱・咽頭痛・口渇・黄い痰を伴うことが多い。
- 銀翹散: のどの腫れ・痛みが目立つ場合
- 桑菊飲: 咳が強い場合
3. 裏熱証
体の内部に熱がこもり、高熱・口渇・便秘・尿が少ないなどの症状がみられる証。
- 白虎湯: 強い熱感と口渇、大汗に
- 黄連解毒湯: 煩躁・不眠・イライラを伴う場合
4. 気虚証
気が不足して、疲れやすい・息切れ・食欲不振などを呈する証。
5. 血虚証
血の不足により、顔色が悪い・動悸・めまい・月経不順などを呈する証。
6. 陰虚証
体の潤いが不足し、ほてり・寝汗・口渇・乾燥感がみられる証。
- 六味地黄丸: 腎陰虚の基本方剤
- 知柏地黄丸: 陰虚内熱が強い場合
7. 陽虚証
体を温める力が不足し、冷え・倦怠・下痢・むくみなどを呈する証。
8. 気滞証
気の流れが滞り、胸や脇の張り・イライラ・のどの詰まり感などがみられる証。
- 四逆散: 胸脇の張りや気滞による痛み
- 半夏厚朴湯: のどの違和感(梅核気)
9. 瘀血証
血流の停滞による、刺すような痛み・月経痛・皮下出血・しこりなどを呈する証。
まとめ
代表的な証と方剤を結びつけて理解することは、弁証論治の実践に不可欠です。
「どの証に、どの方剤が対応するか」を学ぶことで、診断から治療へスムーズに結びつけられるようになります。
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