清熱生津とは、体内の熱邪を清し、津液(体内の水分)を回復させる治法である。
熱邪が旺盛になると、体液が消耗して口渇・咽乾・口乾・便秘・皮膚乾燥・舌紅少苔などの症状が現れる。
そのため、清熱によって熱を取り除くと同時に、津液を生じて潤すことが治療の要点となる。
▼ 目的
- 体内の実熱・虚熱を鎮める
- 津液の損耗を回復し、体内を潤す
- 口渇・咽乾・煩躁・皮膚の乾燥などの症状を改善する
- 高熱後の体力低下や体液不足の改善
▼ 適応症状
- 口渇・咽乾・唇乾燥
- 熱性疾患の回復期の疲労・虚弱
- 皮膚や粘膜の乾燥・便秘
- 多汗後の脱水感
- 舌紅・少苔・脈細数
▼ 主な病機
- 熱邪が津液を焼耗することで、内熱と乾燥が同時に進行する
- 高熱や慢性病による陰液不足
- 発汗・脱水後の体液枯渇
▼ よく用いる方剤
- 白虎湯(びゃっことう)
- 竹葉石膏湯(ちくよう せっこうとう)
- 清暑益気湯(せいしょ えっきとう)
- 沙参麦門冬湯(しゃじん ばくもんどうとう)
- 増液湯(ぞうえきとう)
▼ 主な配合生薬と作用
- 石膏・知母:強い清熱作用
- 麦門冬・沙参:肺胃を潤し、津液を増やす
- 甘草・粳米:気と津液を補い、緩和作用を持つ
- 竹葉:清熱しつつ、煩躁を安定させる
▼ 解説
清熱生津は、熱による津液不足を改善し、内熱と乾燥を同時に解決する治法である。
熱邪・高熱疾患の回復期、夏季の暑熱症、慢性病後の脱水感や口渇、陰虚熱などに幅広く応用される。
潤いの回復を目的とし、無理に発汗・瀉下せず、身体を保護しながら治療を行う点が特徴である。
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