原穴とは、十二経脈それぞれの元気(げんき:生命エネルギー)が集まる重要な経穴のことです。
臓腑の根本的な機能と深く関わり、臓腑機能を調整する代表穴として用いられます。
とくに陰経では、臓の虚証を補う「補法」に、陽経では、邪を取り除く「瀉法」に応用されることが多いとされています。
原穴の特徴
- 各臓腑の元気が注ぐ要穴
- 臓腑の虚実を調整する要点
- 診断・治療の指標として用いられる
- 脈や腹診と組み合わせると効果的
原穴と要点
原穴は、陰経では臓(肝・心・脾・肺・腎・心包)と関係し、臓虚に対して補う要穴として重視されます。
陽経では腑と関連し、外邪や気滞などの実証を瀉す場面で活用されます。
十二経脈の原穴一覧
| 経脈 | 原穴 | 主な作用 |
|---|---|---|
| 肺経 | 太淵 | 肺気の補益、咳嗽・息切れ |
| 大腸経 | 合谷 | 気血疏通、頭面の症状、痛み |
| 胃経 | 衝陽 | 胃気調整、消化促進 |
| 脾経 | 太白 | 脾気補益、消化・吸収 |
| 心経 | 神門 | 心気安定、精神・不眠 |
| 小腸経 | 腕骨 | 気滞散解、肩腕痛 |
| 膀胱経 | 京骨 | 水分代謝、腰背痛 |
| 腎経 | 太渓 | 腎気補益、精血・慢性虚証 |
| 心包経 | 大陵 | 心包調整、胸悶・精神症状 |
| 三焦経 | 陽池 | 気機調整、肩腕の動作改善 |
| 胆経 | 丘墟 | 気滞・胆腑調整、側頭痛 |
| 肝経 | 太衝 | 肝気疏泄、気滞・情志改善 |
臨床のポイント(一般的な説明)
- 虚証:陰経の原穴で補う(例:太渓・太白・太淵)
- 実証:陽経の原穴で瀉す(例:合谷・陽池・丘墟)
- 腹証・脈証と合わせて選穴すると効果的
まとめ
原穴は、臓腑の機能を根本から支える重要な経穴です。
虚実の調整に優れ、特に慢性症状や体質改善に役立ちます。
0 件のコメント:
コメントを投稿