宣胸理気とは

■ 概念

宣胸理気とは、胸中の気の流れを疏通させて(宣胸)、気滞を調整し気機の動きを整える(理気)治法です。
胸部は気が集まる部位であり、気機が停滞すると、胸悶、胸痛、息苦しさ、ため息が多いなどの症状が現れます。
本治法は、胸中の鬱滞を解き、気の巡りを回復させることで症状の改善を図ります。


■ 目的

  • 胸部の気機を疏通し、つかえ感や圧迫感を取り除く
  • 情緒的要因による気滞を解消する
  • 呼吸・発声のしやすさの回復
  • 渋滞している気の運動を正常化し循環を改善する

■ 適応

  • 胸悶・胸満
  • 息苦しさ・呼吸が浅い
  • 胸痛(気滞性)
  • 情志失調に伴う胸の張りや閉塞感
  • 気滞による咳・痰絡み

■ 使用される代表的な薬物

  • 枳実(きじつ)
  • 厚朴(こうぼく)
  • 瓜蔞仁(かろにん)
  • 桔梗(ききょう)
  • 蘇葉(そよう)
  • 香附子(こうぶし)

■ 備考

宣胸理気は、胸部における気滞を核心とした症候に広く用いられます。
病因が情志要因であれば疏肝理気と、痰の存在が明らかであれば化痰・降気などと組み合わせ、証に応じて治法を調整します。

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