五声(呼・笑・歌・哭・呻)とは

五声(ごせい)とは、東洋医学において五臓の気の状態が声として外に現れたものを指し、呼・笑・歌・哭・呻の5つに分類されます。
声は単なる音ではなく、気血の充実や臓腑機能の強弱を示す重要な診察材料であり、特に聞診(声・呼吸・言語の観察)において重視されます。


■ 五声と五臓・五行の対応

五行 五臓 五声 声の特徴
長く伸びる、張りのある声
明るく軽快、弾む声
穏やかで持続的な声
悲しげで短く切れる声
低くうなるような声

■ 五声の東洋医学的な意味

① 呼(こ) — 肝の声

呼は気が伸びやかに発散する状態を表します。
肝気が順調なら声は通りがよく伸びますが、肝気鬱結ではため息・長い呼気・声の詰まりが見られます。

② 笑(しょう) — 心の声

笑は心神の充実と開放を表します。
適度な笑いは正常ですが、過度になると心神不安・躁状態・落ち着きのなさを示します。

③ 歌(か) — 脾の声

歌は気が穏やかに持続する状態を示します。
脾気虚では声が弱く、単調で長く続かない傾向があります。

④ 哭(こく) — 肺の声

哭は気が収斂し沈降する状態を表します。
肺気虚や悲憂過多では、泣き声・弱々しい声・短い呼気が見られます。

⑤ 呻(しん) — 腎の声

呻は深部から漏れ出るような低い声を指します。
腎虚や疼痛時に多く、うなる・唸る・力のない声として現れます。


■ 五声の本質

  • 声は「気の外現」である
  • 五声は五臓の機能状態を示す
  • 声の質・強弱・持続性が診断の手がかりとなる

■ 五声と気の運動

五声 気の動き
発散・伸展
開放・散逸
安定・持続
収斂・下降
沈降・内向

■ まとめ

五声とは、五臓の気の状態が「声」という形で表面化したものです。
東洋医学では声は単なる音ではなく、生命力・精神状態・臓腑機能を映す鏡と考えられます。

そのため、声の質を観察することは、

  • 気虚か実か
  • どの臓が失調しているか
  • 精神状態の把握

を読み取る重要な診断手段となります。

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