東洋医学を学ぶうえで「陰陽」と並んで基礎となる考え方が 「五行(ごぎょう)」 です。
五行とは何か
五行とは、自然界や人間の体のあらゆる現象を「木・火・土・金・水」という五つの要素に分類して理解する考え方です。これは古代中国の自然哲学に由来し、東洋医学では臓腑や感情、季節など多くのものを五行に対応させます。
五行の基本要素
- 木:成長、発展、伸びやかさ
- 火:熱、上昇、活動
- 土:安定、調和、変化の中心
- 金:収斂(しゅうれん)、硬さ、秩序
- 水:冷却、潤い、貯蔵
この五つは独立して存在するのではなく、互いに関係しあい循環しています。
相生(そうしょう)と相剋(そうこく)
五行には、互いに助け合う関係(相生)と、抑制し合う関係(相剋)があります。
- 相生:木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を育てる。
- 相剋:木は土を制し、土は水を制し、水は火を制し、火は金を制し、金は木を制する。
この二つのバランスによって、自然や人の体が調和していると考えられます。
東洋医学における意味
東洋医学では、五行を臓器や感情などに結びつけて考えます。
- 木:肝、怒、春
- 火:心、喜、夏
- 土:脾、思、長夏
- 金:肺、憂、秋
- 水:腎、恐、冬
例えば「肝(木)が弱ると怒りっぽくなる」「腎(水)が不足すると恐れや不安が強くなる」といった理解ができます。
まとめ
五行とは、自然界や人の体を五つの要素でとらえ、その相互作用からバランスや不調を理解する考え方です。
陰陽と同じく、東洋医学の根本をなす重要な理論のひとつです。
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