「胆(たん)」 は、六腑のひとつでありながら、奇恒の腑にも分類される特別な存在です。
胆汁を貯えて消化を助けるとともに、精神面では「決断」をつかさどるとされます。
胆とは何か
西洋医学でいう胆嚢に相当し、胆汁を分泌して消化を助ける器官です。
東洋医学ではこれに加え、気の働きを調整し、意志や決断力に関与する機能が強調されます。
胆の主な働き
- 胆汁を貯え、消化を助ける:胃や小腸の消化を円滑にする
- 決断をつかさどる:精神面での意志決定、勇気に関与
- 五臓六腑を調和する:肝と密接に連携し、気血の流れを円滑にする
胆と肝の関係
胆は「肝」と表裏関係にあります。
肝が気血の流れを調整し、胆はその働きを助け、胆汁を介して消化を支えます。
また、精神活動においても、肝が情緒を整え、胆が決断力を与えるとされます。
胆が奇恒の腑とされる理由
通常の六腑は「飲食物を受け入れて排泄する」性質を持ちますが、胆は「精気である胆汁を貯える」という特異な性質を持ちます。
このため、六腑でありながら奇恒の腑にも含まれます。
胆の不調
- 胆気虚 → 優柔不断、気力の低下、不安
- 胆熱 → 苛立ち、口の苦み、不眠
- 消化不良 → 胃腸の停滞、胸やけ、食欲不振
まとめ
「胆」とは、六腑でありながら奇恒の腑にも含まれる特別な臓腑です。
消化を助ける役割だけでなく、精神面での「決断」をつかさどり、心身の調和に大きく関わる存在とされています。
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