「脈(みゃく)」 は、奇恒の腑のひとつに数えられ、血をめぐらせ全身を養う重要な通路です。
東洋医学では単なる血管としてではなく、気血の流れや臓腑の状態を映す存在として重視されます。
脈とは何か
西洋医学における血管と近い概念ですが、東洋医学では「気血が流れる道」として理解されます。
臓腑でつくられた気血を全身に届けるとともに、診察において脈診で体調を知る重要な手がかりとなります。
脈の主な働き
- 気血の運搬:全身に血を巡らせ、栄養と温かさを届ける
- 臓腑とつなぐ:臓腑でつくられた気血を各部位へ配分する
- 診断の指標:脈の状態から気血や臓腑の虚実を判断できる
脈と心の関係
脈は「心」ととくに深く結びついています。
心が血を主ることで脈に力を与え、全身を養います。心が弱れば脈も弱くなり、逆に心が強ければ脈も充実するとされます。
脈の不調
- 気血不足 → 脈が弱く細い、倦怠感やめまい
- 血熱や瘀血 → 脈が早い、または結滞する
- 臓腑の虚実 → 脈診で虚証や実証を見分ける手がかりになる
まとめ
「脈」とは、奇恒の腑のひとつであり、血を巡らせ全身を養う通路です。
心をはじめとする臓腑と密接に関わり、体調や病の状態を知るための重要な手がかりとして重視されます。
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