五味の食材

五味(ごみ) とは、東洋医学において食材や生薬を分類する重要な概念です。
酸・苦・甘・辛・鹹(さん・く・かん・しん・かん)の五つの味に分けられ、それぞれが体に特有の作用を持ちます。
ここでは、現代の日本で簡単に入手でき、日常的に食べられる食材や調味料を五味ごとに紹介します。


酸(さん) ― 収斂・引き締める作用

  • 梅干し、酢(米酢、黒酢、リンゴ酢)
  • レモン、ライム、ゆず、すだち
  • みかん、グレープフルーツ、キウイ
  • トマト、いちご
  • しそ、青梅
  • ヨーグルト(乳酸の酸味)

苦(く) ― 清熱・余分なものを排出

  • ゴーヤ(にがうり)
  • 春菊、菜の花、せり
  • ふき、ふきのとう、たけのこ
  • 緑茶、抹茶、コーヒー
  • カカオ(チョコレートの苦味)
  • ケール、ルッコラ

甘(かん) ― 補益・滋養・緩和

  • 米、麦、大豆、小豆
  • かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも
  • にんじん、玉ねぎ、キャベツ
  • はちみつ、黒糖、きび砂糖
  • バナナ、リンゴ、ぶどう
  • 牛乳、チーズ

辛(しん) ― 発散・巡りを良くする

  • しょうが、ねぎ、にんにく
  • 唐辛子、山椒、わさび、からし
  • しそ、みょうが
  • 大根(おろし)、かぶ
  • 黒こしょう、白こしょう
  • アルコール類(日本酒、ワインなどの辛口)

鹹(かん) ― 柔らげ・下ろす作用

  • 塩(岩塩、海塩)
  • しょうゆ、味噌
  • 昆布、わかめ、ひじき、海苔
  • あさり、しじみ、はまぐり
  • 魚醤(ナンプラーなど)
  • 漬物(塩漬け)

まとめ

五味は単なる味覚の分類ではなく、それぞれが体に働きかける性質を示しています。
日常の食事にバランスよく五味を取り入れることで、体調を整え、未病を防ぐことにつながります。

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