気血両虚(きけつりょうきょ) とは、東洋医学における病理概念のひとつで、体を支える基本物質である「気」と「血」が同時に不足している状態を指します。
気虚による「エネルギー不足」と、血虚による「滋養不足」が重なり、全身の機能や精神活動に幅広い不調が現れるのが特徴です。
気血両虚の原因
- 慢性病や長期の消耗: 長引く病気や過労で気血を同時に損なう。
- 飲食の不摂生: 栄養不足や脾胃の機能低下で気血の生成が不十分となる。
- 出血: 大量の出血(分娩・外傷など)により気血がともに失われる。
気血両虚の主な症状
- 疲れやすい、倦怠感
- 顔色が青白いまたは艶がない
- 動悸、息切れ、めまい、ふらつき
- 爪や髪が弱い、皮膚が乾燥する
- 不眠、夢が多い、集中力の低下
- 舌は淡色で苔は少なく、脈は細弱
気血両虚と関連する臓腑
- 脾胃: 気血生化の源であり、虚すると両方不足しやすい。
- 心: 血を主るため、心悸や不眠が出やすい。
- 肝: 蔵血の働きが弱まると、月経不調や爪の変化が現れる。
気血両虚に対する治療の方向性
治療は 補気養血(気を補い血を養う) が基本方針です。
漢方では十全大補湯・帰脾湯などが用いられることがあります。
食養生では、黒豆・小松菜・ほうれん草・棗・人参・鶏肉など、
気血の生成を助ける食材が推奨されます。
まとめ
気血両虚とは、体を動かすエネルギーと滋養が同時に不足した状態です。
「疲労+めまい・動悸・不眠」などの症状が特徴で、気と血をともに補うことが改善への鍵となります。
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