営気とは

営気(えいき) とは、東洋医学における気の分類のひとつで、血とともに脈中を巡り、全身を栄養する働きをもつ気を指します。
「営養の気」とも呼ばれ、生命活動を内側から支える重要な存在です。


営気の生成

  • 水穀の精微: 脾胃が飲食物から取り出す栄養分

これが変化して血に化生し、営気 となって脈中を巡ります。
そのため「営気=血と密接に結びついた気」と理解されます。


営気の働き

  • 全身を滋養する: 臓腑・経絡・組織に栄養を与える。
  • 血を生成・推動する: 血液循環を助け、血を養う。
  • 精神活動を支える: 心神を安定させる基盤となる。

営気が不足すると

  • 顔色が悪い、艶がない
  • 疲労感、倦怠感
  • 不眠、多夢、心の不安定
  • 出血しやすい、皮膚が乾燥しやすい

営気と関連する臓腑

  • 心: 営気と血が心神を養う。
  • 脾: 営気の源である水穀の精微を生み出す。
  • 肝: 営気と血の流れを調整する。

営気を養うために

営気を充実させるには、脾胃を健やかにして栄養の吸収を高めることが大切です。
漢方では 帰脾湯・四物湯・十全大補湯 などが用いられることがあります。
食養生としては、黒豆・ほうれん草・なつめ・胡麻などが適しています。


まとめ

営気とは、血とともに脈中を流れて全身を養う気であり、生命活動の基盤を支える存在です。
脾胃を養い、血を充実させることが営気を整えるための要点です。

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