衛気(えき) とは、東洋医学における気の分類のひとつで、体の表面を巡り、防御や温煦を主な役割とする気を指します。
営気が「血とともに内側を養う気」であるのに対し、衛気は「体の外側を守る気」です。
衛気の生成
- 水穀の精微: 脾胃で作られる栄養から生成される。
- 肺の宣発・粛降: その働きによって体表に行き渡る。
営気と同じく水穀の精微から生まれますが、血脈の外を巡り、皮膚や筋肉の間を流れます。
衛気の働き
- 防御作用: 外邪(風・寒・湿など)の侵入を防ぐ。
- 温煦作用: 体表を温め、体温を調節する。
- 固摂作用: 汗腺の開閉を調節し、体液を適切に保持する。
- 昼夜のリズム: 環境や時間帯に応じて体を順応させる。
衛気が不足すると
- 風邪をひきやすい、抵抗力が弱い
- 自汗(じはん:体を動かしていないのに汗が出る)
- 体が冷えやすい
- 皮膚が弱く、アレルギーや湿疹が出やすい
衛気と関連する臓腑
- 肺: 衛気を体表に巡らせる。
- 脾: 水穀の精微を生み出し、衛気の源となる。
- 腎: 陽気を助けて衛気を強める。
衛気を養うために
衛気を充実させるには、まず脾胃を健やかにし、肺の働きを整えることが大切です。
漢方では 玉屏風散・補中益気湯 などが用いられることがあります。
生活習慣では、十分な睡眠・入浴で体を温めること・バランスの取れた食事が重要です。
まとめ
衛気とは、体表を巡り防御や体温調整を担う気で、外邪から体を守る「バリア機能」の役割を果たします。
脾・肺・腎を養い、衛気を充実させることが健康維持の要点です。
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