◆ 意義
血分に入った熱毒を冷まし、熱毒による発赤・腫れ・皮膚症状や出血傾向を改善する治法。
主として血熱妄行・熱毒熾盛の証に用いる。
◆ 主な適応症状
- 皮膚の紅斑、紫斑、発疹、湿疹、蕁麻疹
- のどの腫れや痛み、扁桃炎、化膿性炎症
- 鼻出血、血便、血尿、吐血、皮下出血
- 高熱、口渇、煩躁、意識混濁
- 皮膚の化膿、潰瘍、膿瘍、痤瘡
- 舌紅・絳、苔黄燥、脈数
◆ 使用する代表的な薬物
- 生地黄(しょうじおう)・玄参(げんじん):血熱を冷まし陰液を守る
- 牡丹皮(ぼたんぴ)・赤芍(せきしゃく):血分の熱を清し瘀熱を除く
- 金銀花(きんぎんか)・連翹(れんぎょう):清熱解毒し腫れを散らす
- 紫根(しこん)・板藍根(ばんらんこん):解毒消炎
- 黄連(おうれん)・黄芩(おうごん):上焦の熱毒を清す
◆ 代表的な方剤
- 清瘟敗毒飲(せいうんはいどくいん)
- 化斑湯(かはんとう)
- 犀角地黄湯(さいかくじおうとう)※現代では水牛角に代替
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 五味消毒飲(ごみしょうどくいん)
◆ 解説
熱毒が血分に侵入すると、血行が乱れ、発疹・出血・腫脹化膿などの激しい症状を引き起こす。
涼血解毒は、血分の熱毒を冷まし、炎症と腫れを抑え、出血傾向を改善する治法である。
皮膚疾患や強い炎症性疾患、感染症などにも応用される。
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