◆ 意義
肝の疏泄作用を調え、同時に血を養うことで、肝血不足や肝失疏泄による情志の不安定、筋脈の不栄を改善する治法。
主として肝血不足・肝気失調に用いられる。
◆ 主な適応症状
- めまい、立ちくらみ、視力低下、目のかすみ
- 筋肉のひきつり、こむら返り、しびれ
- 情緒不安、抑鬱、怒りっぽい、イライラ
- 不眠、多夢、動悸
- 月経不順、月経量減少、月経痛
- 顔色蒼白、爪がもろい、皮膚の乾燥
- 舌淡、脈細弦
◆ 使用する代表的な薬物
- 当帰(とうき)・地黄(じおう)・白芍(びゃくしゃく):血を補い肝を滋養
- 川芎(せんきゅう):血行促進し、鬱滞改善
- 柴胡(さいこ)・香附(こうぶ):肝の疏泄を助け気機を調える
- 茯神(ぶくしん)・酸棗仁(さんそうにん):安神し不眠を改善
◆ 代表的な方剤
◆ 解説
肝は血を蔵し、全身の気の流れを調整する臓であり、情志とも深く関係する。
血が不足すると肝の養分が足りず、筋脈・精神が不安定となり、疏泄機能も低下する。
調肝養血は、肝血を補って情志を安定させ、気の流れを調えて全身の調和を回復する治法である。
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