概念
補益通絡とは、気血・陰陽などの不足(虚)を補いながら、経絡の通りを良くして症状を改善する治法です。
虚証により経絡が十分に栄養されず、しびれ・麻痺・鈍痛・だるさなどが生じる場合に用いられます。
補う(補益)と同時に流れを改善する(通絡)ことで効果を発揮します。
適応症状の例
- 慢性的なしびれ・麻痺
- 筋力低下・力の入りにくさ
- 慢性の関節痛・筋肉の鈍痛
- 脳卒中後の回復期の虚証症状
- 気血不足に伴う神経痛や筋肉のこわばり
病機のポイント
- 気血不足・肝腎不足により経絡が十分に栄養されない
- 絡脈の疏通不良 → しびれ・鈍痛・麻痺が出る
- 補益のみでは通りが悪く、通絡のみでは虚を悪化させるため、補益+通絡が必要
代表的な方剤例
- 黄耆建中湯
- 当帰芍薬散
- 補陽還五湯(補益+通絡の代表)
- 六味地黄丸・八味地黄丸の応用(肝腎不足を補い通絡)
使いどころのイメージ
気血が虚しているために「通らない」タイプに適します。
痛みも鋭い痛みではなく、鈍痛・しびれ・だるさ・無力感が中心です。
「補ってから通す」「補いながら通す」という視点が重要です。
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