兪穴(ゆけつ)とは、五臓六腑の気が背部に注ぐ部位で、脊柱の両側、膀胱経上に並ぶ重要な経穴群です。
特に背部兪穴は臓腑と密接に結びつき、内臓の機能調整や診断に用いられます。
■ 特徴
- 背部、脊柱の両側(膀胱経)に位置
- 12の兪穴があり、各臓腑と対応
- 臓腑の気が注ぎ、機能と深い関連
- 押すと痛み・緊張が現れやすく、診断に有用
- 慢性疾患・虚証の調整に特に効果的
■ 兪穴の役割
| 作用 | 説明 |
|---|---|
| 臓腑の反応点 | 背部の緊張・圧痛で臓腑の病態を判断 |
| 治療の要点 | 内臓機能の強化・調整に用いる |
| 慢性疾患に有効 | 虚証や長期の臓腑機能低下に適応 |
■ 背部兪穴一覧(臓腑対応)
| 臓・腑 | 兪穴 | 位置(略) |
|---|---|---|
| 肺 | 肺兪 | T3 旁1.5寸 |
| 心包 | 厥陰兪 | T4 旁1.5寸 |
| 心 | 心兪 | T5 旁1.5寸 |
| 肝 | 肝兪 | T9 旁1.5寸 |
| 胆 | 胆兪 | T10 旁1.5寸 |
| 脾 | 脾兪 | T11 旁1.5寸 |
| 胃 | 胃兪 | T12 旁1.5寸 |
| 三焦 | 三焦兪 | L1 旁1.5寸 |
| 腎 | 腎兪 | L2 旁1.5寸 |
| 大腸 | 大腸兪 | L4 旁1.5寸 |
| 小腸 | 小腸兪 | S1 旁1.5寸 |
| 膀胱 | 膀胱兪 | S2 旁1.5寸 |
※位置は教科書・流派により微差があります。
■ 臨床での活用例
- 腎兪:腎虚、腰痛、慢性疲労
- 肝兪:胸脇痛、イライラ、月経トラブル
- 胃兪:胃痛、食欲不振、胃炎
- 肺兪:咳、喘息、風邪予防
ポイント:兪穴は背部の臓腑ポイントで、臓腑の虚弱や慢性症状に特に効果的。
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