募穴とは、臓腑の気が集まる部位として体の前面(胸腹部)に配置された重要な経穴群です。主に腹診や胸腹部の症状の鑑別に活用され、内臓疾患の診断・治療で重視されます。
■ 特徴
- 体の前面(胸腹部)に位置
- 12の経穴があり、各臓腑に対応
- 臓腑の気が集まり、病変が反映されやすい
- 圧痛・張り・硬結の有無を診察に用いる
- 腹診で虚実や病勢の判断に有用
■ 募穴の役割
| 作用 | 説明 |
|---|---|
| 臓腑の病態を反映 | 押すと痛み・圧痛・膨満が現れる |
| 治療点として有効 | 臓腑機能の調整に利用 |
| 腹診の要点 | 虚実の判断に使う |
■ 募穴一覧(臓腑対応)
| 臓・腑 | 募穴 | 経脈 |
|---|---|---|
| 肺 | 中府 | 肺経 |
| 大腸 | 天枢 | 胃経 |
| 胃 | 中脘 | 任脈 |
| 脾 | 章門 | 肝経 |
| 心 | 巨闕 | 任脈 |
| 小腸 | 関元 | 任脈 |
| 膀胱 | 中極 | 任脈 |
| 腎 | 京門 | 胆経 |
| 心包 | 壇中 | 任脈 |
| 三焦 | 石門 | 任脈 |
| 胆 | 日月 | 胆経 |
| 肝 | 期門 | 肝経 |
■ 臨床での活用例
- 中脘:胃痛・消化不良・胃炎
- 中府:咳、胸満
- 天枢:便秘・下痢
- 期門:肝鬱、胸脇痛
ポイント:募穴は「体の前面にある臓腑の反応点」。押圧で状態が分かり、治療点にもなる。
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