概念
和顔正口(わがんせいこう)とは、顔面部の気血・経絡の失調を整え、口眼・口唇・顔面の歪みや運動障害を改善する治法である。
中医学では顔面は陽明経・少陽経を中心に多くの経脈が集まる部位であり、気血の栄養と通暢が表情筋や口唇運動を支えている。
風邪・痰・瘀血・気虚などにより経絡が阻滞すると、顔面麻痺や口角偏斜などの症状が出現するため、和顔と正口を同時に行うことが重要となる。
病機との関係
和顔正口が対象とする主な病機には、以下が含まれる。
・風邪阻絡(急性顔面麻痺)
・風痰阻絡(口眼歪斜・しびれ)
・瘀血内阻(慢性麻痺・拘縮)
・気血不足(筋肉無力・回復遅延)
・正気虚弱(再発・後遺症)
主な適応病証
和顔正口は、以下のような症状・病証に適応される。
・口眼歪斜、口角偏斜
・顔面筋の麻痺、運動障害
・表情が作りにくい
・顔面部のしびれ、違和感
・顔面神経麻痺後の後遺症
治療原則・配穴配方の考え方
和顔正口では、経絡を疏通し、気血を調和して顔面機能を回復させることが治療の要点となる。
・急性期は祛風通絡を主体とする
・痰・瘀があれば化痰活血を加える
・回復期には補気養血を併用する
鍼灸では、地倉・頬車・迎香・攅竹・合谷・風池などを用い、局所と遠隔を組み合わせて調整する。
代表的な方剤・治法例
病態に応じて、以下の方剤が用いられる。
・牽正散:風痰阻絡・口眼歪斜
・大秦艽湯:風邪阻絡・筋脈拘急
・補陽還五湯:気虚血瘀・後遺症
・消風散(加減):風邪主体の顔面症状
・十全大補湯(回復期):気血両虚
関連する治法・概念
和顔正口は、以下の治法・概念と密接に関連する。
・祛風通絡
・化痰通絡
・活血化瘀
・補気養血
・醒脳安神
まとめ
和顔正口は、顔面部の運動・形態・機能の回復を目的とする治法である。
急性期から回復期まで病期を見極め、祛邪と補正を適切に組み合わせることで、機能改善と後遺症軽減が期待できる。
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