概念
清熱利胆(せいねつりたん)とは、胆に鬱結した熱邪や湿熱を清し、胆汁の疏泄を促して胆腑の機能を回復させる治法である。
中医学では胆は「中正の官」とされ、疏泄・決断・胆汁排泄に関与する。
湿熱や肝火が胆に及ぶと、胆汁の流れが阻害され、口苦・脇痛・黄疸などが現れるため、清熱利胆が用いられる。
病機との関係
清熱利胆が対象とする主な病機には、以下が含まれる。
・肝胆湿熱(口苦・黄疸・脇痛)
・胆熱内蘊(悪心・嘔吐・食欲不振)
・湿熱阻滞胆道(黄疸・皮膚瘙痒)
・肝火犯胆(煩躁・頭痛・目赤)
・胆腑失和(不眠・驚きやすい)
主な適応病証
清熱利胆は、以下のような症状・病証に適応される。
・口苦、口乾
・右季肋部痛、脇痛
・黄疸、皮膚瘙痒
・悪心、嘔吐、食欲不振
・湿熱性の胆道・消化器症状
治療原則・配穴配方の考え方
清熱利胆では、肝胆を同時に調整し、湿熱を除去しつつ胆汁疏泄を促すことが治療の要点となる。
・湿熱が主の場合は清熱燥湿を中心とする
・肝火が強い場合は清肝瀉火を併用する
・慢性例では正気を損なわぬよう補益を加える
鍼灸では、陽陵泉・胆兪・日月・期門・太衝などを用い、胆経の疏通と肝胆機能の調整を図る。
代表的な方剤・治法例
病態に応じて、以下の方剤が用いられる。
・茵蔯蒿湯:湿熱黄疸
・竜胆瀉肝湯:肝胆実火・湿熱
・大柴胡湯:肝胆鬱熱・脇痛
・茵蔯五苓散:湿重型黄疸
・温胆湯(加減):胆熱・不眠
関連する治法・概念
清熱利胆は、以下の治法・概念と密接に関連する。
・清肝瀉火
・燥湿利湿
・疏肝理気
・和解少陽
・解毒消黄
まとめ
清熱利胆は、肝胆湿熱・胆腑鬱滞を中心に対応する重要な治法であり、黄疸や胆道系症状に広く応用される。
肝胆の相互関係を重視し、熱・湿・気の偏在を見極めた治療が、症状改善と再発防止につながる。
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