陰陽の偏りから読む、症状の方向性

はじめに

同じ「不調」でも、

  • 上に出る人
  • 下に残る人
  • 熱っぽくなる人
  • 冷えて固まる人

がいます。

東洋医学では、これを陰陽の偏りとして読み解きます。

本記事では、陰陽のバランスが崩れたとき、症状が「どの方向に現れるのか」を全体像として整理します。


陰陽は「量」ではなく「方向性」

陰陽というと、

  • 陽=活動的
  • 陰=静的

といった性質論で語られがちですが、臨床的に重要なのは、体の中でどちらが主導権を持っているかです。

⇒ 陰陽の偏りは、症状の「勢い」「向き」「居場所」を決めます。


陽に偏ったときの症状の方向性

① 上に出やすい

  • 頭痛
  • めまい
  • 顔面紅潮
  • 目・耳・鼻の症状

⇒ 陽は上昇する性質を持つため、症状も上へ集まりやすくなります。


② 外に出やすい

  • 発汗
  • 発疹
  • 炎症

⇒ 陽の偏りは、外へ発散しようとする動きとして現れます。


③ 動きが速い・変化が大きい

  • 急に悪化・急に軽快
  • 波が大きい

⇒ 陽証は、症状のスピード感が特徴です。


陰に偏ったときの症状の方向性

① 下に残りやすい

  • 腰・下肢の重だるさ
  • 排泄トラブル
  • 婦人科系の不調

⇒ 陰は下降・停滞するため、症状は下部に定着しやすくなります。


② 内にこもりやすい

  • 冷え
  • 鈍痛
  • だるさ

⇒ 陰の偏りは、外に出られない状態として現れます。


③ 変化が遅く、慢性化しやすい

  • じわじわ悪化
  • 良くも悪くもなりにくい

⇒ 陰証は、時間をかけて固定化します。


陰陽の偏りは「混在」する

実際の体では、

  • 上は熱、下は冷え
  • 表は実、裏は虚

といったように、陰陽は同時に存在します。

⇒ 重要なのは、どちらが主流になっているかです。


五臓と陰陽の偏りの関係

肝:陽が亢進しやすい

  • 上衝
  • 張り
  • 怒り

⇒ 肝の失調は、陽が暴れやすい方向に傾きます。


心:陽が表に現れやすい

  • 動悸
  • 不眠
  • 顔色変化

⇒ 心は、陽の動きが外に出やすい臓です。


脾:陰に傾くと停滞する

  • 湿
  • 重だるさ
  • 内にこもる疲労

⇒ 脾の弱りは、陰的停滞を生みます。


肺:陰陽の境界が乱れやすい

  • 発汗異常
  • 皮膚トラブル

⇒ 肺は、内外のバランス調整役です。


腎:陰陽どちらも不足しやすい

  • 冷え
  • 火照り
  • 慢性疲労

⇒ 腎は、陰陽の土台となります。


陰陽を読むと「今、何が起きているか」が見える

症状を

  • 部位
  • 病名

だけで見ると、方向性は見えてきません。

陰陽の偏りを読むことで、

  • なぜ上なのか
  • なぜ外なのか
  • なぜ慢性なのか

が説明できるようになります。


まとめ

陰陽の偏りは、

  • 症状の出る場所
  • 動き方
  • 時間経過

を決めています。

症状を「点」ではなく方向を持った現象として捉えること。

それが、東洋医学で全体像を読む視点です。

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