痰湿阻鼻(たんしつそび)とは、痰湿が上部に停滞して鼻竅を閉塞し、鼻づまりや鼻漏、嗅覚低下などを引き起こす病機を指します。
「痰湿が鼻を塞ぐ」状態です。
鼻は肺に属し、清気の出入りを司りますが、痰湿が停滞すると、鼻竅が閉塞して通気が障害されます。
また、痰湿の重濁性により、分泌物が多く粘りやすいのが特徴です。
痰湿阻鼻の特徴としては、次のような性質があります。
- 閉塞性(通らない)
- 重濁性(重く詰まる感じ)
- 粘滞性(鼻汁が粘る)
- 慢性化傾向
主な原因としては、次のようなものがあります。
- 脾虚による痰湿生成
- 飲食不節(甘味・油膩)
- 湿邪の侵入
- 慢性鼻炎体質
主な症状としては、次のようなものがみられます。
- 鼻づまり(持続的)
- 鼻汁が多い(白色・粘稠)
- 嗅覚低下
- 頭重感
- 痰が多い・咽の違和感
舌脈の特徴としては、痰湿の性質を反映して次のような所見がみられることが多いです。
- 舌苔白膩
- 舌質胖大
- 脈滑
治法としては、痰湿を除去し鼻の通りを回復させることを目的として、次のような方法が用いられます。
- 化痰燥湿
- 健脾
- 宣肺通竅
代表的な関連病証としては、次のようなものがあります。
- 痰湿
- 肺失宣発
- 鼻淵
- 慢性鼻炎
このように痰湿阻鼻は、痰湿が鼻竅を物理的に閉塞し、通気障害や分泌異常を引き起こす病機です。
そのため治療では、局所だけでなく、痰湿の根本(脾・肺)を整えて再発を防ぐことが重要とされます。
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