腎気虚とは

腎気虚(じんききょ) とは、腎の「気」が不足した状態を指します。
腎は生命力の根本であり、成長・発育・生殖や水分代謝を主る臓腑ですが、その機能が低下することで、発育不良や老化の促進、頻尿や夜間尿、耳鳴り・めまいなどが現れます。


原因

  • 先天的要因: 生まれつき腎気が不足している体質。
  • 加齢: 年齢とともに腎気が衰退。
  • 慢性病や長期消耗: 慢性疾患や長期の疲労により腎気を消耗。
  • 過労・性生活の不摂生: 過労や性生活の過多により腎精を損傷。

主な症状

  • 発育不良、成長の遅れ
  • 老化の促進、健忘、耳鳴り、めまい
  • 腰や膝のだるさ・無力感
  • 頻尿、夜間尿、尿の切れが悪い
  • 呼吸が弱く、声に力がない
  • 疲労感、精力減退

舌・脈の所見

  • 舌: 淡、胖大、苔薄白
  • 脈: 沈細、無力

代表的な方剤

  • 金匱腎気丸(きんきじんきがん): 腎気虚の基本方。頻尿・夜尿・腰膝無力に。
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 腎気虚が気虚を兼ねる場合に応用。

養生の考え方

  • 十分な休養・睡眠をとり、腎精の消耗を避ける
  • 性生活の過度を慎み、腎を養う
  • 黒豆・黒ごま・山芋・くるみ・栗など腎を補う食材を摂る
  • 下半身を冷やさないようにし、腎陽の消耗を防ぐ

まとめ

腎気虚とは、腎の気が不足して成長・発育や生殖機能、水分代謝が低下する状態です。
腰膝のだるさ・頻尿・夜尿・耳鳴りなどが特徴で、補腎益気を中心にした治療・養生が重要となります。

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