不内外因(ふないがいいん) とは、東洋医学における病因分類のひとつで、「外因(六淫)」にも「内因(七情)」にも属さない、その他の病気の原因を指します。
生活習慣や外傷、不摂生など、日常生活に関わる幅広い要素が含まれます。
不内外因の主な内容
- 飲食の不摂生: 暴飲暴食・不規則な食事・偏食などにより脾胃を損なう。
- 労倦(ろうけん): 過労や睡眠不足などによる体力の消耗。
- 外傷: 打撲・骨折・切り傷・火傷などによる直接的な損傷。
- 虫獣の害: 虫刺されや動物による咬傷。
- 寄生虫や伝染病: 寄生虫感染や外界からの病原体による障害。
- その他: 生活環境(騒音・寒暑の不調和など)による心身への影響。
不内外因による症状の例
- 食べすぎ → 胃もたれ・下痢・肥満
- 飲みすぎ → 嘔吐・肝の負担・痰湿の生成
- 寝不足や過労 → 気虚・倦怠感・免疫低下
- 外傷 → 出血・腫脹・血瘀の形成
- 寄生虫 → 腹痛・下痢・栄養不良
不内外因に対する治療の方向性
治療の基本は 原因の除去と臓腑の調整 です。
飲食の不摂生であれば食事療法、過労であれば休養が必須となります。
鍼灸や漢方薬は、症状の緩和や臓腑機能の調整に用いられます。
また、生活習慣の改善が最も重要な対策といえるでしょう。
まとめ
不内外因とは、六淫(外因)・七情(内因)以外の病因をまとめた分類で、飲食・労倦・外傷・虫獣・寄生虫など、日常生活に直結する要素が中心です。
生活の改善と養生を通して防ぐことができる病因とされます。
0 件のコメント:
コメントを投稿