調中消滞とは

調中消滞とは、脾胃の運化機能を調え、中焦に停滞した食積や飲停、湿濁の停滞を取り除く治法です。
主として、脾胃不和・食滞・湿困脾胃などに用いられます。

▼ 目的

• 脾胃機能を調整し、消化吸収を正常化する
• 飲食停滞や湿濁の鬱積を除去する
• 痞満、腹脹、嘔悪、食欲不振を改善する

▼ 適応症状

• 胃脘痞満・腹脹・脘腹のつかえ
• 食後のつかえ感、食欲不振
• 嘔気・嘔吐、口中ねばつき
• 大便溏薄、または食滞による便秘
• 舌苔厚膩、脈濡または滑

▼ よく用いる漢方薬・方剤

• 平胃散（へいいさん）
• 香砂六君子湯（こうしゃりっくんしとう）
• 保和丸（ほわがん）
• 枳実導滞丸（きじつどうたいがん）

▼ 代表的な配合生薬

• 陳皮・枳実・厚朴：気を巡らせ、痞満を解く
• 半夏・生姜：胃気を調え、嘔悪を止める
• 茯苓・白朮：脾を健やかにし湿を取り除く
• 山楂・神麹・麦芽：積滞を消す

▼ 解説

調中消滞は、食滞・湿阻により中焦の昇降失調が起こり、痞満・嘔悪・食欲不振などが現れる場合に行われる治法です。
脾胃の働きを整え、滞りを取り除いて、気機の流れを回復させることを中心とします。