五臓のひとつである 「肝(かん)」 は、体内の気や血の流れを調整し、精神活動にも深く関わる重要な臓です。
肝とは何か
東洋医学における肝は、西洋医学の肝臓と完全に一致するわけではありません。体内のエネルギーや血の巡りをコントロールし、精神の安定や筋肉の働きに影響を与える臓として理解されます。
肝の主な働き
- 疏泄作用(そせつ):気の流れをスムーズにし、情緒や消化機能を調整する
- 蔵血作用(ぞうけつ):血を蓄え、必要に応じて全身に供給する
- 筋をつかさどる:筋肉や腱の働きを支える
- 目に開竅する:視力や目の健康に関わる
- 爪にあらわれる:血の状態が爪の色や形に反映される
肝と感情
肝は「怒」と深く結びついています。怒りすぎると肝を傷つけ、逆に肝の不調が怒りっぽさとして現れることもあります。
肝の不調
- 肝気鬱結(かんきうっけつ):気の流れが滞る → イライラ、胸や脇の張り、消化不良
- 肝火上炎(かんかじょうえん):肝の熱が上にのぼる → 頭痛、赤ら顔、目の充血、怒りっぽさ
- 肝血不足(かんけつぶそく):血が不足する → めまい、目のかすみ、爪の異常、筋のけいれん
まとめ
「肝」とは、気や血の流れを調整し、感情や筋肉、視力などに関わる臓です。
そのバランスが乱れると、情緒不安や目・筋肉の不調として現れると考えられます。
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