「陰陽(いんよう)」 とは、東洋医学の最も基本となる概念であり、八綱弁証においても病証を大きく二つに分ける最上位の分類です。
あらゆる病の性質を「陰証」と「陽証」に振り分けて理解します。
陽証とは
陽証は、体の働きや熱が盛んで、外向き・活動的な性質を持つ病証です。
特徴としては以下のようなものがあります。
- 発熱・顔面の紅潮・口の渇き
- 便秘や尿が濃い
- 脈が浮いて速い、力強い
- 落ち着かない、イライラするなど精神の興奮
陰証とは
陰証は、体の機能や陽気が不足し、冷えや静的な性質を持つ病証です。
特徴としては以下のようなものがあります。
- 冷えを強く感じる、四肢の冷感
- 顔色が白っぽい、声に力がない
- 下痢や尿量が多い
- 脈が沈んで遅い、弱い
陰陽の見分け方
陰陽は、症状の傾向を総合的に見て判断します。
外向きで熱が強く勢いのあるものは陽証、内向きで冷えや不足が目立つものは陰証とされます。
八綱弁証における位置づけ
八綱弁証では、
陰陽 → 表裏・寒熱 → 虚実 の順に病証を大きく分けていきます。
陰陽はその最上位にあたるため、病の全体像をつかむための基盤となります。
まとめ
「陰陽」とは、八綱弁証において病を二大別する最も基本的な視点です。
陽証=熱・実・外向き、陰証=寒・虚・内向きという特徴を押さえることで、病証の大きな方向性を理解することができます。
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