八綱弁証とは

「八綱弁証(はっこうべんしょう)」 とは、東洋医学で病気を分析し、証(体の状態や病の性質)を判断するための基本的な枠組みです。
病の特徴を 陰陽・表裏・寒熱・虚実 の四組八つの綱領に分けて整理することから、この名がつけられました。


八綱弁証の四組

  • 陰陽:病証を最も大きく二分する分類。陽証(熱・外向き・実)と陰証(寒・内向き・虚)。
  • 表裏:病邪が体表にあるか(表証)、内部に入ったか(裏証)。
  • 寒熱:病の性質が寒か(冷え)熱か(熱感)。
  • 虚実:正気の不足か(虚証)、邪気の過剰か(実証)。

八綱弁証の目的

八綱弁証は、症状や脈診・舌診などの情報を整理し、病の本質を把握することを目的としています。
これにより、治療方針を正しく定める基盤が得られます。


診断の流れ

八綱弁証の診断は、一般的に次の順序で行われます。

  1. まず「陰証」か「陽証」かを見極める
  2. 次に「表証」か「裏証」かを判断する
  3. 「寒証」か「熱証」かを区別する
  4. 最後に「虚証」か「実証」かを確定する

八綱弁証の臨床的意義

  • 複雑な症状を整理しやすくなる
  • 病の本質に基づいた治療方針を立てられる
  • 他の弁証法(臓腑弁証・気血弁証など)の土台となる

まとめ

「八綱弁証」とは、陰陽・表裏・寒熱・虚実という八つの視点で病を整理し、
証を明確にして治療につなげるための基本枠組みです。
東洋医学を学ぶ上で欠かせない診断の出発点といえるでしょう。

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