■ 概要
外邪である湿と熱が同時に侵入し、衛気の宣発・清粛作用を阻害して発病する病証。
湿は粘滞・重濁で停滞する性質をもち、熱は炎上・灼熱の性を持つため、
発熱感はあるものの汗がすっきり出ず、身体が重だるく熱感と不快感が強いのが特徴。
■ 主な症状
- 発熱・悪寒・身体の重だるさ
- 頭重・頭痛・四肢倦怠感
- 胸苦しさ・痞満感・食欲不振
- 口が苦く粘つく・口渇するが多く飲めない
- 関節の重さや疼痛
- 小便が濃く少ない
- 舌:紅または淡紅、舌苔:黄膩
- 脈:濡数または滑数
■ 病因
- 梅雨や高温多湿の気候で湿熱邪が侵入
- 長時間の湿気環境(浴場、厨房、雨中の活動など)
- 湿地や蒸し暑い地域での生活
- 汗をかいた後の濡れた服の放置
■ 病理機転
- 湿が気機を阻滞 → 身体重だるい・頭重・関節痛
- 熱が内に鬱結 → 発熱感・口苦・尿黄
- 湿熱が表と里の間に滞り → 発熱と悪寒が交互に現れやすい
■ 治法
■ 代表的な方剤
- 藿香正気散(湿重症状が強い場合)
- 三仁湯(湿熱重く気機阻滞)
- 銀翹散+藿香・佩蘭(湿熱の外感に)
- 清暑益気湯(暑湿による倦怠・口渇)
■ 弁証の要点
- 発熱悪寒+身体が重だるい
- 舌苔黄膩、脈濡数
- 湿と熱が表に滞り、宣発不利
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