寒湿中阻とは

● 概要

寒湿の邪が中焦（脾胃）に侵入し、運化機能を阻害した状態。 寒湿が脾陽の働きを抑え、気機の昇降と水湿代謝が停滞して飲食が消化できず、 中焦の気機が阻滞することでさまざまな消化器症状が現れる。

● 主な症状

• 胃脘の痞え、胸満、腹部膨満
• 食欲不振、食後もたれ、嘔気・嘔吐
• 下痢または泥状便、腸鳴
• 体が重だるい、頭重
• 四肢の冷え、寒がり
• 口中粘っこい、味無き・淡味
• 小便が少ない
• 舌質淡、苔白膩、脈沈遅

● 発生要因

• 寒湿の外邪の侵襲
• 冷飲・生ものの過食
• 長期の脾陽虚による湿の内生

● 治法

温中散寒・化湿運脾

● 代表的な方剤

• 藿香正気散
• 平胃散
• 理中湯
• 香砂六君子湯

● 弁証要点

寒湿が中焦を阻滞し、脾陽の働きが低下して水湿停滞。 胸腹痞満・食欲不振・嘔吐・泥状便など、脾胃の運化失調と湿の重濁性が特徴。