寒湿停飲とは

● 概要

寒湿の邪が体内に侵入し、陽気の温煦作用を阻害することで水飲が停滞し、流動しなくなった状態。 寒により水液が凝集し、飲（水分停滞）が形成され、気機の運行を妨げる。

● 主な症状

• 胸や脇の膨満感・つかえ感
• 噯気・嘔気、水様の嘔吐
• 咳嗽痰多、痰は白く水様
• めまい、動悸、息切れ
• 身体の重だるさ、寒がり、四肢冷
• 小便減少
• 舌質淡胖、苔白滑
• 脈沈遅または弦滑

● 発生要因

• 寒冷環境や冷飲の過多
• 脾陽虚や腎陽虚による水湿運化機能の低下
• 慢性病による水液代謝障害

● 治法

温陽化湿・温化水飲・行気和中

● 代表的な方剤

• 小青竜湯
• 苓桂朮甘湯
• 五苓散
• 真武湯

● 弁証要点

寒と湿により水液が流通せず停滞し、痰飲が生じる。 冷えを伴う飲停による胸満、痰多、嘔吐水様などが特徴。