調気理血とは

【概要】

「調気理血」は、気の流れ(気機)を調整し、血の循環を改善する治法です。
気は血の運行を推動し、血は気を載せて巡らせる関係にあるため、気血がともに調和して初めて全身の臓腑・経絡は正常に働きます。
気滞や瘀血が原因となる疼痛や月経不調、精神的抑鬱などに応用されます。


【適応症状】

  • 胸脇や胃脘の張り・痛み
  • 側胸部の脹痛、脅肋痛
  • 心胸部の悶痛、刺痛
  • 月経不順・月経痛・血塊の排出
  • 鬱々とした気分、抑鬱、イライラ
  • 頭痛、肩こり、体の重だるさ

【病機】

七情内傷、ストレス、寒邪・湿邪の侵襲、長期の停滞により
気滞 → 血行不良(瘀血) を招き、疼痛や抑鬱症状を発生させる。


【治法の作用】

  • 気の流れを通じて血行を促進する
  • 瘀血を除去し疼痛を緩和する
  • 精神的緊張・抑鬱感の改善
  • 月経周期の調整と痛みの軽減

【代表的な処方】

  • 逍遙散(しょうようさん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 冠心Ⅱ号方(中国方剤)

【使用上の注意】

  • 妊娠中は慎重に用いる(特に活血薬が含まれる場合)
  • 出血傾向や抗凝固薬使用者は医療者へ相談
  • 虚証が強く疲労困憊の状態は、補益法と併用が望ましい


◆ 調気理血は、気と血の両面から治療し、痛みや鬱症状を改善する治法です。

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