【概要】
「利水通経」は、体内の水液代謝を改善し、経絡の流れを通じさせる治法です。
水湿が停滞すると、気血の運行を妨げ、浮腫、重だるさ、疼痛、しびれなどの症状が現れます。
水湿を排除し、経絡を通し、気血の循環を正常化させることを目的とします。
【適応症状】
- 浮腫(全身・下肢・顔面)
- 関節痛や四肢の痺れ・重だるさ
- 転筋・筋肉のつり、こむらがえり
- 頭重感・めまい・立ちくらみ
- 小便不利、尿量減少
- 月経痛、血塊の排出、月経不順
【病機】
水湿の停滞により、経絡が阻滞され、気血の運行が妨げられる。
そのため、疼痛・痺れ・浮腫などの症状を生じる。
【治法の作用】
- 利水滲湿により余分な水湿を排除する
- 経絡の阻滞を除き、四肢の疼痛や痺れを改善
- 尿の排出を促す
- 月経の流れを改善し、痛みを軽減する
【代表的な処方】
- 五苓散(ごれいさん)
- 猪苓湯(ちょれいとう)
- 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 真武湯(しんぶとう)
- 独活寄生湯(どっかつきせいとう)
【使用上の注意】
- 脱水傾向や口渇が強い場合は慎重に使用
- 腎機能や心機能に問題がある場合は医療者と相談
- 強い虚証の場合は補益法との併用が望ましい
◆ 利水通経は、余分な水湿の排除と経絡の通路の改善によって、痛みや痺れ、浮腫を改善する治法です。
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