【概要】
清利気機とは、体内に鬱滞した熱を清しつつ、停滞・乱調した気の流れ(気機)を整え、上下・内外の気の運行を円滑にする治法です。
気滞が長引いて化熱した状態、あるいは熱邪・痰熱が気機の昇降出入を阻害している場合に用いられ、胸脇・中焦・上焦を中心とした不快症状の改善を目的とします。
【作用】
- 気機鬱滞に伴う内熱を清し、熱による煩悶を軽減する
- 上下の気の昇降失調を調え、胸脇・咽喉・胃腸のつかえを改善する
- 肝・肺・脾胃の気機を疏通し、全身の気の巡りを整える
- 熱と気滞が絡むことによる不快感・不安感を和らげる
【適応症状】
- 胸脇苦満・胸悶・息苦しさ
- 気が上逆する感じ・咽のつかえ
- 胃部痞え・膨満感・げっぷ
- イライラ・煩躁・情緒不安定
- 舌紅・薄黄苔など、軽〜中等度の熱を伴う気滞症状
【代表的な病機】
- 気滞化熱(特に肝気鬱結化火)
- 痰熱阻滞による気機不利
- 外感熱邪が気機の昇降を阻害する状態
- 情志失調による気鬱と内熱の併存
【用いられることの多い方剤・治法(参考)】
- 柴胡疏肝散加清熱薬(肝気鬱結・軽度熱)
- 小柴胡湯(少陽枢機不利・胸脇苦満)
- 温胆湯(痰熱・煩悶・胸悶)
- 清熱薬+理気薬の併用
【併用される治法】
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