補虚為本とは

補虚為本(ほきょいほん)とは、虚証を病の根本(本)と捉え、その不足を補うことを治療の中心原則とする治法思想を指します。
すなわち、病の表面に現れる症状(標)よりも、気・血・陰・陽の不足という根本原因の改善を最優先とする治療原則です。


■ 主な適応病機

  • 気虚・血虚・陰虚・陽虚
  • 久病体虚
  • 慢性消耗性疾患
  • 老年性虚弱
  • 虚実夾雑の虚主体


■ 主な症状の特徴

  • 慢性的な疲労・無力
  • 抵抗力低下
  • 症状が長引く
  • 回復力の低下
  • 再発しやすい
  • 舌:淡・嫩・少苔など虚証所見
  • 脈:細弱・虚・無力


■ 作用のイメージ

東洋医学では、「邪が盛んだから病になる」のではなく、「正気が不足しているから邪を防げない」と考えます。

補虚為本とは、

  • 表面症状だけを抑えない
  • 体の土台を立て直す
  • 自然治癒力を回復させる
という根本治療の思想です。


■ 治療内容の具体例

  • 補気(例:四君子湯)
  • 補血(例:四物湯)
  • 滋陰(例:六味地黄丸)
  • 温陽(例:右帰丸)


■ 類似概念との違い

  • 扶正祛邪:正気を補いながら邪も除く
  • 治標治本:標と本の両面の治療原則
  • 補虚瀉実:虚実に応じた基本治則
  • 固本培元:より根源的な生命力補強


■ まとめ

補虚為本とは、「病の根本を虚証にあると捉え、気血陰陽の不足を補うことを治療の中心とする根本治療の原則」です。
慢性疾患・体質改善・再発防止において極めて重要な治療思想となります。

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