温腎止瀉(おんじんししゃ)とは、低下した腎陽を温めて補い、大腸の伝導機能を安定させることで下痢を止める治法を指します。
腎は水液代謝や二便の調節に関与し、特に腎陽は脾陽とともに消化吸収や排泄機能を温煦・推動する役割を担います。
この腎陽が虚すると、温煦作用が低下して寒が内生し、水穀の運化・吸収が不十分となり、慢性的な下痢が生じます。
温腎止瀉は、腎陽を温補して脾腎の機能を回復させ、排便のコントロールを正常化することを目的とする治法です。
特に、早朝にみられる五更瀉など、慢性かつ虚寒性の下痢に対して重要な治療法であり、しばしば温中健脾と併用されます。
主な適応病証
・腎陽虚による下痢
・脾腎陽虚
・五更瀉
・命門火衰
主な症状
早朝の下痢(五更瀉)、未消化便、腹部の冷えと痛み、温めると軽減、腰膝の冷え・無力、頻尿、疲労感など。
治法の目的
・腎陽を温補する
・脾腎の機能を回復させる
・下痢を止める
・水液代謝と排泄機能を安定させる
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