疏肝利胆(そかんりたん) とは、東洋医学における治療法の一つで、肝の気を疏通し(流れをよくし)、胆の働きを助ける(利胆)ことを目的とした方法です。
肝胆の機能が滞ると、気機が失調し、胸脇の張りや痛み、口の苦み、黄疸などが生じるため、
これを調整するために用いられます。
適応する病態
主な症状
- 胸脇の張りや痛み
- 口の苦みや苦いげっぷ
- 食欲不振、消化不良
- 黄疸(皮膚や眼の黄染)
- 情緒不安定、イライラ、抑うつ感
代表的な方剤
- 柴胡疏肝散(さいこそかんさん): 肝気鬱結による胸脇部の張痛や抑うつに用いる。
- 茵陳蒿湯(いんちんこうとう): 肝胆湿熱による黄疸に用いる。
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう): 肝胆の湿熱による炎症症状(目赤、口苦、耳鳴りなど)に用いる。
養生の考え方
- 過度なストレスを避け、心身のリラックスを心がける
- 脂っこい食事・酒を控え、肝胆への負担を減らす
- 適度な運動や気功、太極拳などで気血の巡りを良くする
- 香味野菜(しそ、ミント、セロリなど)や苦味のある食材を取り入れる
まとめ
疏肝利胆とは、肝の気をめぐらせ胆の働きを助ける治療法であり、ストレス性の不調、胸脇部の張痛、黄疸などの症状に用いられます。
現代でもストレス性の胃腸症状やメンタルの不調との関わりが注目されています。
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