気・血・津液・精とは

気・血・津液・精(き・けつ・しんえき・せい) は、東洋医学における生命活動の基盤をなす四つの基本物質です。
これらは互いに関わり合いながら人体を支え、健康や病気の理解に欠かせない重要な概念となっています。


気とは

は、生命を動かし維持するエネルギーです。
推動・温煦・防御・固摂・気化といった作用を持ち、体を活動的に保ちます。
気が不足すると倦怠感や息切れ、気の滞りは胸苦しさや痛みを生じます。


血とは

血(けつ) は、気によって生み出され全身を養う物質です。
血は臓腑・筋肉・皮膚・感覚器に栄養と潤いを与え、精神活動を安定させます。
血虚ではめまい・顔色の蒼白・不眠などが現れ、血瘀(血の滞り)では刺すような痛みや月経異常が起こります。


津液とは

津液(しんえき) は、血液以外の体液を総称する概念です。
津はさらさらした液体で、皮膚や筋肉を潤し、液は粘稠性があり、関節や臓腑を潤します。
津液の異常は、口渇・浮腫・痰飲(体内の余分な水分停滞)として現れます。


精とは

は、生命の根本となる最も大切な物質です。
先天の精(両親から受け継いだもの)と、後天の精(飲食物から得られるもの)があり、成長・発育・生殖を司ります。
腎に蓄えられ、長寿や体力の基盤とされます。精が不足すると発育不良・老化の促進・不妊などが起こります。


四つの物質の関係

気・血・津液・精は相互に生み出し支え合います。

  • 気は血を生み、血を巡らせる
  • 血は気を養い、気の活動を安定させる
  • 津液は気血の働きによって生成・運行される
  • 精は気血津液の基盤となり、また補充される

まとめ

気・血・津液・精は、東洋医学における「生命の四大基盤」です。
いずれかが不足・滞り・失調すると健康に影響を与えます。
四者のバランスを整えることが、診断や治療、養生において最も重要とされます。

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