利湿化痰とは

【概要】

利湿化痰とは、体内に停滞する湿と痰を除き、気機の流れを回復させる治法です。
湿邪は粘滞性があり、停滞すると痰を形成し、呼吸器症状だけでなく消化器、循環、関節など多方面に影響します。
そのため、湿を取り除き痰を化し、体の重さ・だるさ・咳・胸のつかえなどを改善します。

【適応症状】

• 咳嗽、痰が多く粘って切れにくい
• 胸悶、胸苦しさ、息切れ
• 口が粘る、吐き気、食欲不振
• 体が重だるい、四肢の倦怠感
• 頭が重くぼんやりする
• むくみ、浮腫、尿量減少
• 舌苔が白膩または黄膩

【病機】

脾の運化が失調し、水湿の停滞が生じて痰を内生する。
湿痰が気機を阻害し、呼吸系・消化系・循環系に症状を引き起こす。

【治法の作用】

• 水湿を排泄し、痰の形成を抑える
• 痰を除き、気の流れを通じさせる
• 咳・胸悶・頭重・全身倦怠などの改善

【代表的な処方】

• 二陳湯（にちんとう）
• 平胃散（へいいさん）
• 沢瀉湯（たくしゃとう）
• 半夏白朮天麻湯（はんげびゃくじゅつてんまとう）
• 防已黄耆湯（ぼういおうぎとう）

【併用される治法】

• 健脾化湿
• 化痰止咳
• 理気和中
• 清熱化痰（熱痰に適応）

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◆ 利湿化痰は、湿邪・痰濁による咳嗽、胸悶、頭重、倦怠感、浮腫などを改善する治法です。