聡耳啓竅とは

【概要】
聡耳啓竅とは、耳の竅(聴覚機能)を開き、気血・精・清陽の巡りを回復させて聴力を改善する治法である。
耳は「腎に開竅」し、また清陽は上って耳に至るため、腎精不足・気血虚・痰濁阻竅・肝火上擾・気血瘀滞などにより耳竅が閉塞すると、耳鳴・難聴・耳閉感が生じる。
本法はこれらの病機に応じて、補益・清熱・化痰・活血・疏通を組み合わせ、聴覚の回復を図る。


【作用】

  • 耳竅を閉塞する痰濁・瘀血・気滞を除去する
  • 清陽の上昇を助け、耳への栄養供給を改善する
  • 腎精・気血を補い、聴覚機能を支える
  • 肝火・虚熱を清し、耳鳴・煩躁を軽減する

【適応症状】

  • 耳鳴(高音・低音・断続的・持続的)
  • 難聴・聴力低下
  • 耳閉感・耳が詰まる感じ
  • めまい・頭重感を伴う耳症状
  • 加齢・久病・ストレス後に出現する聴覚障害

【代表的な病機】

  • 腎精不足・腎虚による耳竅失養
  • 痰濁上擾・痰湿阻竅
  • 肝火上炎・肝陽上亢
  • 気血瘀滞による耳絡不通

【用いられることの多い方剤・治法(参考)】

  • 耳聾左慈丸(腎虚性の耳鳴・難聴)
  • 滋腎通耳湯(腎精不足・虚火)
  • 温胆湯(痰濁阻竅型)
  • 通竅活血湯(瘀血による耳閉・難聴)

【併用される治法】

0 件のコメント:

コメントを投稿