外傷瘀阻(がいしょうおそ)とは、打撲・捻挫・骨折・手術・切創などの外傷によって血脈が損傷し、血の運行が阻滞して瘀血(おけつ)が局所に停滞した状態を指します。
外傷により血は脈外に漏れ、あるいは気機の失調によって血行が停滞し、経絡の流通が妨げられるため、疼痛・腫脹・皮下出血・運動障害などが生じます。
いわば「外傷を契機に生じた局所的な血瘀病機」です。
■ 主な原因
外傷瘀阻の成立には、主に次の要因があります。
- 打撲・捻挫・骨折 → 血脈損傷・血溢脈外
- 手術・切創 → 血行遮断・瘀血形成
- 反復外力 → 慢性瘀血の形成
- 気滞の併発 → 気行不利により血行停滞
特に東洋医学では、「気為血之帥」の原則から、外傷による気滞が血瘀を固定化させる点が重要とされます。
■ 主な症状
- 刺すような固定痛(刺痛・拒按)
- 局所の腫脹・硬結
- 皮下出血・紫斑
- 関節可動域制限
- 夜間痛・慢性疼痛
- 患部の冷感または暗色化
痛みの特徴は「固定・刺痛・按ずるを嫌う」で、これは瘀血の典型所見です。
■ 舌・脈の特徴
- 舌質:暗紫・瘀点・瘀斑
- 脈象:渋脈・弦渋脈
■ 病機のポイント
- 外傷 → 血脈損傷
- 血溢脈外・運行阻滞
- 瘀血形成 → 経絡閉阻
- 不通則痛
つまり外傷瘀阻は、「血脈損傷+血行停滞」が核心病機です。
■ 治法
急性期は行血散瘀を主とし、慢性期では通絡・補気養血を併用することも重要です。
■ 代表方剤
- 活血逐瘀湯
- 血府逐瘀湯
- 桃紅四物湯
- 復元活血湯
- 七厘散(外傷急性期)
■ まとめ
外傷瘀阻とは、外力による血脈損傷を契機に瘀血が停滞し、経絡の通行が阻まれて疼痛や腫脹を生じる病機です。
その本質は、「外傷 → 血瘀 → 経絡閉阻 → 疼痛」という流れにあります。
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