血虚風燥とは

血虚風燥(けっきょふうそう)とは、血が不足して皮膚や筋脈が栄養を失い、その結果、風と燥が生じてかゆみや乾燥などの症状をもたらす病態です。
血は身体を滋養し、皮膚や毛髪に潤いを与えますが、その不足により「血虚生風」「血虚生燥」が発生し、慢性の皮膚疾患や掻痒を特徴とします。


原因

  • 慢性消耗: 長期の病気や過労により血を消耗する。
  • 飲食不摂: 栄養不足により血の生成が不足。
  • 出血の繰り返し: 月経過多、分娩後、外傷などによる失血。
  • 加齢: 血が徐々に不足し、潤いが減少。

主な症状

  • 皮膚の乾燥、鱗屑
  • 皮膚のかゆみ(掻痒感が強い)
  • 頭髪の乾燥、抜け毛
  • めまい、動悸、不眠
  • 爪が割れやすい、顔色が蒼白や萎黄
  • 女性では月経量が少ない、または無月経

舌・脈の所見

  • 舌: 淡、舌苔少ない、やや乾燥。
  • 脈: 細、弱。

治療方針

  • 養血潤燥: 血を補い、潤いを回復させる。
  • 息風止痒: 血虚による風を鎮め、かゆみを抑える。
  • 代表方剤:当帰飲子、四物湯、養血風燥方など。

養生・注意点

  • 血を養う食材(黒ごま、なつめ、クコの実、ほうれん草、レバーなど)を摂る。
  • 過労や夜更かしを避け、十分な休養を取る。
  • 皮膚を乾燥させないよう保湿を心がける。
  • 慢性的な出血や月経異常は放置せず調整する。

まとめ

血虚風燥とは、血の不足によって風と燥が生じ、皮膚の乾燥や掻痒を中心とした症状を引き起こす病態です。
治療は「養血潤燥・息風止痒」を基本とし、日常生活では血を養い皮膚を保湿することが大切です。

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