小腸は胃から飲食物を受け取り、その清濁を分別して全身に栄養を行き渡らせ、濁を膀胱に送る役割を持ちます。
弁証においては、消化吸収障害や排尿異常、さらに表裏関係にある「心」の影響が特徴的です。
小腸の虚証
- 小腸虚寒(しょうちょうきょかん): 小腸の陽気不足により、腹痛・下痢・便が未消化・冷感・頻尿。
小腸の実証
- 小腸実熱(しょうちょうじつねつ): 心火が小腸に移り、尿が赤く少ない・排尿痛・口渇・心煩。
- 小腸気滞(しょうちょうきたい): 気の流れが滞り、腹部膨満・便秘や下痢・尿が出にくい。
心と小腸の関係
- 心火移熱小腸(しんかいてつしょうちょう): 心火が小腸に移行し、尿が濃く少ない・口渇・心煩・不眠。
まとめ
小腸の弁証は消化吸収機能(虚寒や気滞)と排尿機能(心火移熱・実熱)が中心です。
臨床では「便通の異常」と「尿の変化」が主要な観察ポイントとなり、心との関わりを考慮して弁証する必要があります。
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