胆は五臓の「肝」と表裏関係にあり、決断を主り、また胆汁を貯蔵・排泄する役割を担います。
弁証においては、精神活動や消化機能に関わる病理パターンが特徴的です。
胆の虚証
- 胆気虚(たんききょ): 気力不足・優柔不断・決断力の欠如・不安感・臆病など。
胆の実証
- 胆火上擾(たんかじょうじょう): 胆火が上に炎上し、不眠・悪夢・イライラ・口苦。
- 肝胆湿熱(かんたんしつねつ): 肝胆に湿熱が停滞し、脇肋の張り・口苦・黄疸・耳鳴り・苦いげっぷ。
- 胆鬱痰擾(たんうつたんじょう): 胆の機能失調により痰湿が上擾し、胸悶・動悸・不眠・めまい。
肝胆関係の病理
- 肝胆気滞(かんたんきたい): 肝気鬱結が胆にも及び、脇肋の張痛・胸苦しさ・怒りやすい。
- 肝胆火旺(かんたんかおう): 肝火と胆火がともに旺盛となり、めまい・頭痛・耳鳴り・怒りっぽい。
まとめ
胆の弁証は、精神活動(決断力・不安感)と消化・胆汁排泄(湿熱・胆火)に関わる病理が中心です。
単独の病証は少なく、多くは肝と関連して現れるのが特徴です。
弁証では「精神症状」「脇肋の不快感」「口苦や黄疸の有無」などに注目します。
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