固摂止血とは

固摂止血(こせつしけつ)とは、気の固摂作用を強めて出血を防ぎ(固摂)、血の漏出を止める(止血)治法を指します。
主に、気虚や脾不統血などによって血が脈外へ漏出する虚証性の出血に用いられます。

血の保持は「気の固摂作用」に依存しています。 気虚になると統血機能が低下し、慢性・反復性の出血が起こりやすくなります。 固摂止血は、「血を止めるだけでなく、漏れる原因である気虚を改善する」ことを特徴とする治法です。


■主な適応病態

  • 気虚不摂血
  • 脾不統血
  • 衝任不固による出血
  • 慢性虚証性出血
  • 病後・久病による出血傾向


■主な症状の特徴

  • 慢性的・少量で持続する出血
  • 紫暗ではなく淡紅色の出血
  • 疲労で出血が悪化
  • 倦怠感・息切れ
  • 顔色蒼白
  • 舌淡、脈細弱


■代表的な配合生薬の働き

  • 補気薬:固摂機能を回復
  • 収斂止血薬:血の漏出を抑える
  • 養血薬:失血による虚を補う
  • 健脾薬:統血機能を強化


■代表的な方剤



■類似治法との違い

  • 涼血止血:血熱による出血
  • 活血止血:瘀血阻滞による出血
  • 収斂止血:局所的・応急的止血
  • 補気摂血:固摂より補益重視


■まとめ

固摂止血は、気虚による統血失調を改善して出血を根本的に防ぐ治法であり、慢性・虚証性の出血に対する重要な基本治療原則となります。
単なる止血ではなく、「血を守る力」を回復させる点に特徴があります。

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