産後失血(さんごしっけつ)とは、分娩時の出血や産後の悪露過多などにより、血が大量に消耗して気血の栄養・滋潤作用が低下した状態を指す中医学の病機です。
血は「婦人の本」とされ、産後はもともと血虚状態にあるため、失血が重なると全身の虚損や諸症状を引き起こしやすくなります。
主な原因
- 分娩時の出血: 出血量過多による血損。
- 悪露不止: 産後の出血が長引く。
- 体質虚弱: 妊娠前からの血虚体質。
- 脾気虚弱: 血の生化・統摂が低下。
病理機転
- 分娩・出血により血が急激に消耗。
- 血虚により気血の栄養作用が低下。
- 臓腑・経絡・筋脈の失養が生じる。
- 重症では気血両虚・陽気虚脱に進展。
主な症状
- 顔色蒼白・めまい
- 動悸・息切れ
- 倦怠感・無力感
- 不眠・健忘
- 四肢のしびれ・乾燥
舌・脈の所見
- 舌: 淡白、苔薄白
- 脈: 細弱、または虚大
関連する病機・証型
代表的な方剤
- 四物湯: 基本的な補血剤。
- 八珍湯: 気血両虚に。
- 帰脾湯: 心脾両虚に。
- 当帰補血湯: 気血不足に。
治法
養生の考え方
- 十分な休養と睡眠を確保。
- 過労・冷えを避ける。
- 鉄分・タンパク質の補給を意識。
- 黒豆、なつめ、ほうれん草など補血食材を活用。
まとめ
産後失血は、分娩に伴う血の大量消耗により血虚が生じる病機です。
治療では補血益気を中心に、気血の回復と再出血の防止を重視することが重要となります。
0 件のコメント:
コメントを投稿