湿痺(着痺)とは

湿痺(しっぴ)/着痺(ちゃくひ)とは、湿邪が主となって経絡に侵入し、気血の運行を阻害することで、重だるさや固定性の違和感・疼痛を生じる痺証の一種を指します。
湿の「重濁・粘滞・停滞」の性質により、症状が重く、長引きやすいのが特徴です。

湿は流れを妨げ、粘りつくように停滞するため、痛みや違和感が一定の部位にとどまり、すっきりしない状態が続きます。
また、湿は下に停滞しやすいため、下肢や関節に症状が出やすい傾向があります。

湿痺(着痺)の特徴としては、次のような性質があります。

  • 重着性(重だるい・沈むような感覚)
  • 固定性(部位が動かない)
  • 遷延性(慢性化しやすい)
  • 湿環境で悪化


主な原因としては、次のようなものがあります。

  • 湿邪の侵入(湿潤環境)
  • 風寒湿の合邪(湿優位)
  • 脾失健運(内湿の形成)
  • 長期の水湿停滞


主な症状としては、次のようなものがみられます。

  • 関節や筋肉の重だるい痛み
  • しびれ・違和感
  • 痛みが一定の部位に固定する
  • 関節の可動制限
  • 雨天・湿気で悪化
  • 下肢に症状が出やすい


舌脈の特徴としては、湿の性質を反映して次のような所見がみられることが多いです。

  • 舌苔白膩または厚膩苔
  • 脈濡または脈滑


治法としては、湿を除き経絡を通じさせることを目的として、次のような方法が用いられます。


代表的な関連病証としては、次のようなものがあります。


このように湿痺(着痺)は、湿邪の粘滞・重濁性によって気血が阻害され、重だるく固定性の症状を呈する痺証です。
そのため治療では、湿を除きつつ経絡を通じさせ、必要に応じて脾の機能を回復させることが重要とされます。

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